所得税

法人・所得・消費税

電子帳簿保存法の概要

(一部国税庁HPより)

1. 国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等の制度の概要 

電子帳簿保存法第2条第5号((電子取引の意義))に規定する「電子取引」には、取引情報が電磁的記録の授受によって行われる取引は通信手段を問わず全て該当するので、例えば、次のような取引も、これに含まれることに留意が必要です。

(1) 国税関係帳簿書類の保存義務者(以下「保存義務者」といいます。)は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、一定の要件の下で、その電磁的記録の備付け及び保存をもってその帳簿の備付け及び保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法4①)。

(2) 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、一定の要件の下で、その電磁的記録の保存をもってその書類の保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法4➁)。

注1 「保存義務者」とは、国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている者をいいます(電子帳簿保存法2四)。

注2 「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます(電子帳簿保存法2三)。具体的には、ハードディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ等の記録媒体上に、情報として使用し得るものとして、情報が記録・保存された状態にあるものをいいます。

(電子取引の範囲)

電子帳簿保存法第2条第5号((電子取引の意義))に規定する「電子取引」には、取引情報が電磁的記録の授受によって行われる取引は通信手段を問わず全て該当するので、例えば、次のような取引も、これに含まれることに留意が必要です。

番号内容
1いわゆるEDI取引
2インターネット等による取引
3電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)
4インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引

(参考1)電子帳簿保存時の要件
(参考2)電子帳票システム別の対応関係

2. 国税関係帳簿書類のCOMによる保存等の制度の概要

(1) 保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、一定の要件の下で、その電磁的記録の備付け及びCOMの保存をもってその帳簿の備付け及び保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法5①)。

(2) 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、一定の要件の下で、そのCOMの保存をもってその書類の保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法5➁)。

(3) 国税関係帳簿書類の電磁的記録による備付け及び保存をもって書類の保存に代えている保存義務者は、一定の要件の下で、そのCOMの保存をもってその電磁的記録の保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法5➂)。

(注) 「COM」とは、電子計算機を用いて電磁的記録を出力することにより作成するマイクロフィルムをいいます。電子帳簿保存法では、「電子計算機出力マイクロフィルム」という用語で定義されています(電子帳簿保存法2七)。

3. スキャナ保存制度の概要

⑴ 保存義務者は、国税関係書類(財務省令で定めるものを除きます。)の全部又は一部について、その国税関係書類に記載されている事項を財務省令で定める装置により、電磁的記録に記録する場合には、一定の要件の下で、その電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代えることができることとされています(電子帳簿保存法4➂)。


⑵ 国税関係書類のうち、財務省令で除かれるものとしては、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類が定められています(電子帳簿保存法規則2➃)。


⑶ 国税関係書類に記載されている事項を電磁的記録に記録する財務省令で定める装置として、スキャナが定められています(電子帳簿保存法規則2⑤)

4. 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度の概要

 所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないこととされています(電子帳簿保存法7)。

5. 個人及び中小企業の具体的対応

1 電子帳簿等保存及びスキャナ保存については、保存義務者が書面で保存するかデータで保存するかを決められるため、いままで通りでも問題ありません。

2 電子取引データ保存は、2024年1月から適用されますので、 検索機能の確保に対応したソフトの導入か、 検索機能の確保ができる検索簿等を作成するかの事前準備が必要です。 また真実性の担保については、タイムスタンプ等の導入は経費がかかりますので、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程」に準拠した事務処理規程(国税庁のホームページからダウンロードすることができます。)を作成することをお勧めいたします。

JIIMA認証情報リスト(適合ソフトの情報)

 令和3年度税制改正前においては、電子帳簿保存、電子書類保存及びスキャナ保存制度に関して、申請者の予見可能性を向上させ、またその手続負担を軽減させる観点から、市販のソフトウェア及びソフトウェアサービス(以下、「市販のソフトウェア等」といいます。)を対象に、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による要件適合性の確認(「認証」)を受けたものを利用する場合については、承認申請書の記載事項や添付書類を一部省略することを可能としていました(令和元年(2019年)9月30日以後に行う承認申請から適用。)。
 また、電子取引についても、予見可能性向上の観点から、同様にJIIMAによる市販ソフトウェア等の認証制度が設けられています。

 令和3年度税制改正において事前承認制度は廃止となりましたが、保存義務者の予見可能性を確保する観点や優良な電子帳簿の普及促進の観点から、引き続き認証を受けた市販のソフトウェア等について、以下のリンク(JIIMA公式サイト)に掲載されていますので、ご確認ください。

要件適合性に関する事前相談窓口(自前で作成する場合)

 電子帳簿等保存制度を利用するため、各企業等において受託開発されるシステムや自社開発のシステムを対象に、電子帳簿保存法における要件適合性に関する事前相談の窓口を設けています。

税務署所管の法人又は個人事業者の方

税務署担当部門
各税務署法人課税部門 又は 個人課税部門

国税局又は沖縄国税事務所所管の法人

国税局等担当課
東京国税局、大阪国税局及び名古屋国税局調査開発課 電子帳簿保存法担当
関東信越国税局調査総括課 電子帳簿保存法担当
沖縄国税事務所調査課 電子帳簿保存法担当
上記以外の国税局調査管理課 電子帳簿保存法担当

※ お問い合わせの際は、担当者に法人名をお伝えください。

※ 制度等に関する一般的なご質問やご相談につきましては、各国税局の電話相談センターにてお受けしております(所轄(又は最寄り)の税務署におかけいただいた後、自動音声に沿って「1」を選択していただきますと、各国税局の電話相談センターにおつなぎします。)。

法人税・所得税と消費税との差異

所得税法、法人税法での取り扱い

令和3年度の税制改正により、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)および法人税に係る保存義務者については、2024年1月1日以後行う電子取引の取引情報に係る電子データうち、電子帳簿等保存及びスキャナ保存は書面に出力して保存することが認められていますが、電子取引データ保存を書面に出力して保存することが廃止されています。 その電子データを一定の要件の下、保存しなければならないこととされています。

消費税の取り扱い

消費税法での取り扱いについては、消費税に係る保存義務者が行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存については、その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案して、令和4年1月1日以後も引き続き、その電磁的記録を書面に出力することにより保存することも認められています。

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