相続税
配偶者居住権
概要
配偶者居住権とは民法第1028条((配偶者居住権))の規定に基づく権利をいいます。 民法の規定により配偶者居住権がある場合の配偶者居住権、居住建物、敷地利用権及び居住建物の敷地の用に供される土地の相続税評価額については、下記のとおりです。
参照 (配偶者居住権)
第千二十八条 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
2 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
3 第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。
配偶者居住権の価額
(居住用建物の相続税評価額) - (居住用建物の相続税評価額) × (耐用年数-経過年数-存続年数) / (耐用年数-経過年数) × (存続年数に応じた法定利率による複利現価率)
項 目 | 内 容 |
耐用年数 | 法定耐用年数×1.5倍 (木造33年 鉄筋コンクリ-ト71年等) |
経過年数 | 建物の経過年数(建築時から相続開始時までで、6か月以上の端数は1年、6か月未満の端数は切捨て) |
存続年数 | 配偶者居住権の存続期間です。 配偶者居住権の存続期間は自由に決めることができますので、1、2年だけでもいいですし、配偶者が死亡する時までの終身でも可能です。 終身にした場合は厚生労働省の完全生命表による性別、年齢に応じた平均余命年数となります。 |
複利現価率 | 存続年数に応じた法定利率に対する複利現価表による利率 |
(注) 居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合または被相続人が相続開始の直前において居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。
(居住用建物相続税の評価額) × (賃貸の用に供されている部分以外の部分の床面積) / (居住建物の床面積 × 被相続人が有していた持分割合)
居住建物の価額
(居住建物の相続税評価額) ー [配偶者居住権の評価額(注)]
(注)上記「配偶者居住権の価額」で求めた配偶者居住権の価額です。
敷地利用権の価額
(居住建物の敷地の用に供される土地の相続税評価額) ー (居住建物の敷地の用に供される土地の相続税評価額) × (存続年数に応じた法定利率による複利現価率)
(注) 居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合または被相続人が相続開始の直前において居住建物の敷地を他の者と共有し、もしくは居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。
(居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地が共有でないものとした場合の相続税評価額) × (居住用建物の賃貸の用に供されている部分以外の床面積) / (居住建物の床面積) × 被相続人が有していた居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合のうちいずれか低い割合)
居住建物の敷地の用に供される土地の価額
(居住建物の敷地の用に供される土地の相続税評価額) ー [敷地利用権の価額(注)]
(注)上記「敷地利用権の価額」で求めた敷地利用権の価額です。