法人税
欠損金
青色欠損金の当期控除額
1 適用要件
⑴ 青色申告書を提出した事業年度で生じた欠損金であること
⑵ 法人の各事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額
⑶ 既にこの規定を受けたこと又は繰り戻し還付の計算の対象になったものを除く
当期控除額
⑴ 中小法人等 | 控除前所得金額(差引計を限度とする) |
⑵ ⑴以外 | その各事業年度の控除前所得の金額(注1)の 50%所得金額 |
(注1) 控除前所得の金額とは、欠損金等を控除する前の所得金額として所要の調整を行ったものをいいます。以下同じです。
(注2) 中小法人等の各事業年度や一定の事実が生じた法人等の一定の事業年度については、各事業年度の控除前所得の金額(注1)が限度となります
(注3) 中小法人とは、各事業年度終了の時において次の法人に該当するものをいいます。
イ 普通法人(投資法人、特定目的会社及び法第4条の7に規定する受託法人を除きます。)のうち、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの
ロ 公益法人等又は協同組合等
ハ 人格のない社団等
*ただし次に掲げる普通法人は中小法人から除かれます
➀ 大法人(資本金の額が5億円以上の法人)による完全支配関係がある普通法人
➁ 完全支配関係がある複数の大法人に発行済み株式等の全部を保持されている普通法人
繰越の順序
法人の各事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額を控除する時は古いものから順次控除する
欠損金の繰戻し還付
(国税庁HP一部抜粋)
この制度は、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度(適格合併における被合併法人の青色申告書である確定申告書を提出する最後事業年度を含みます。)に欠損金額が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」といいます。)において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます。)に繰り戻して法人税額の還付を請求できるというものです。
ただし、この制度は、①清算中に終了する各事業年度の欠損金額、②解散等の事実が生じた場合の欠損金額および③中小企業者等の各事業年度において生じた欠損金額を除き、平成4年4月1日から令和4年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については適用が停止されています。
なお、上記①から③までの欠損金額のほかに、令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度において一定の法人に生じた欠損金額については、新型コロナ税特法の特例により、適用が認められます。
適用要件
次の要件をすべて満たさなければなりません。
青色申告法人の場合
(1) 還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
(2) 欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出していること。
(3) 上記(2)の確定申告書と同時(※)に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。
(※) 新型コロナの特例あり
災害損失欠損金を有する法人の場合
(1) 還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して確定申告書を提出していること。
(2) 欠損事業年度の確定申告書または仮決算による中間申告書を提出していること。
(3) 上記(2)の確定申告書または仮決算による中間申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。
解散等の事実が生じた場合の特例
解散(適格合併による解散は除かれます。)、事業の全部の譲渡、会社更生法等の規定による更生手続の開始など一定の事実(以下「解散等の事実」といいます。)が生じた場合で、解散等の事実が生じた日前1年以内に終了した事業年度または解散等の事実が生じた日の属する事業年度において生じた欠損金額には、この制度の適用が認められます。
なお、この場合には次の点にご留意ください。
1 この特例により還付請求書を提出する場合の提出時期について、確定申告書と同時に提出しない場合であっても、解散等の事実が生じた日から1年以内は、提出可能です。
2 還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければなりません。
中小企業者等に係る特例
中小企業者等の各事業年度において欠損金額が生じた場合には、この制度の適用が認められます。
なお、中小企業者等とは次の1から4の法人をいいます。
1 普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるものまたは資本もしくは出資を有しないもので、各事業年度終了の時において次の(1)から(6)に掲げる法人に該当するものを除いたものです。
(1) 相互会社および外国相互会社
(2) 大法人(次のイからハに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
イ 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
ロ 相互会社および外国相互会社
ハ 受託法人
(3) 100パーセントグループ内の複数の大法人に発行済株式または出資の全部を直接または間接に保有されている法人(ロに掲げる法人を除きます。)
(4) 投資法人
(5) 特定目的会社
(6) 受託法人
2 公益法人等または協同組合等
3 法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされる次の法人
認可地縁団体、管理組合法人、団地管理組合法人、法人である政党等、防災街区整備事業組合、特定非営利活動法人、マンション建替組合およびマンション敷地売却組合
対象者または対象物
・青色申告書を提出する法人
・災害損失欠損金を有する法人
計算方法・計算式
還付金額の計算は次のとおりです。
(算式)
(注) 法人が還付金額の計算の基礎として還付請求書に記載した金額が限度となります。また、分母の金額が限度になります。