法人税

法人税

役員の辞任又は任期満期終了に伴い、退職金を支給する場合は、定款による場合と、株主総会の決議によるかどちらかの方法で支給することが出来ます。 この場合に退職金額が税法上、[不相当に高額]と認定された場合は、法人税法上損金に算入することが出来ませんので、金額を決定する際には慎重に行う必要があります。

役員の退職金額の計算方式には、一般的によく使用される「功績倍率法」と裁判等で使用される「1年当たり平均法」とよばれる計算法等の計算方法があります。

役員退職金=退職時の月額報酬×勤続年数×功績倍率

功績倍率は、一般的には1.6~3倍が多く使用されていて、現在のところ、概ねこの範囲までは課税当局に認められているようです。 この場合に取締役及び監査役の功績倍率が低くなり、代表取締役になれば高くなることが予定されていていますので、役職の種類に応じて功績倍率を決める必要があります。

(過去の判例において、国が示した功績倍率)

役 職功績倍率
社長3.0
専務2.4
常務2.2
平取締役1.8
監査役1.6

特に功績を残した役員に対しては、上記の功績倍率法で計算した金額とは別に「功労加算金」として上乗せの退職金を支給することができます。

功労加算金=役員退職慰労金×30%

しかしこの功労加算については、ほとんどの場合課税当局に認められていないので、注意が必要です

役員退職金=1年当たり退職金(※)×勤続年数

※1年当たり退職金は、同種・同規模法人の役員退職金の支給データを基に算出した、1年あたりの退職金の平均値のことをいいます。

類似法人の役員退職給与支給データーの入手方法

一般的に法人が入手できる資料から、これを正確に計算することはかなり難しいものと思われます。 しかしながら『日本実業出版社:中小企業の役員報酬・賞与・退職金の支給状況』等又は、財務省財務総合政策研究所が発行する「法人企業統計年報」等が、多少なりとも参考になるものと思われます。

株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。 この場合、株主総会の決議前に取締役会で内定していても、内定した時点で未払金に計上して損金算入することはできません。

法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。

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