医業コンサルタント

医療法人

相続人等が、相続又は遺贈により認定医療法人(相続税の申告期限において)の持分を相続した場合、納付すべき相続税のうち、この特例の適用を受ける持分の価額に対応する相続税については、所定の要件のもと、認定移行計画に記載された移行期限まで、その納税が猶予されます。 この場合の猶予される相続税額を医療法人持分納税猶予税額といいます。

認定医療法人とは

平成26年度の医療法改正により令和5年9月30日までに持ち分の定めがある社団が持ち分の定めのない社団に移行する計画を策定し、厚生労働大臣の認定を受けた場合その医療法人。

この特例の適用を受けるための要件は、下記のとおりです。

(必要要件)

要 件
1被相続人が医療法人の持分を有していた人であること。
2相続人等が被相続人から相続または遺贈により医療法人の持分を取得した人であること。
3医療法人の持分が相続税の申告期限において認定医療法人の持分(遺産分割されているものに限ります。)であり、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨を記載したものであること。

認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までに、下記の様な事由が生じた場合は、原則的に、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに掲げる金額に相当する相続税額は、届出書を提出することにより、免除されます。

 区分届出により免除される額
1認定医療法人の持分のすべてを放棄した場合医療法人持分納税猶予税額
2認定医療法人が基金拠出型医療法人への移行をする場合において、持分の一部を放棄し、その残余の部分をその基金拠出型医療法人の基金として拠出したとき医療法人持分納税猶予税額から基金として拠出した額に対応する部分の金額を控除した残額

放棄の手続き 厚生労働大臣が定める「出資持分の放棄申出書」(医療法施行規則附則様式7)を認定医療法人に提出する  ことにより放棄する必要があります。

下記に該当する場合には、この特例の適用を受けることはできません。

区分
1相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、医療法人の持分に基づき出資額に応じた払戻しを受けた場合
2相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、医療法人の持分を譲渡した場合
3相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、認定医療法人の持分の全部または一部を放棄し、医療法人の持分についての相続税の税額控除の適用を受ける場合 

納税猶予を受けている相続税額は、下記に該当する場合は、その相続税額の全部または一部を納付する必要があります。

医療法人持分納税猶予税額の全部確定

区分  詳  細
a 相続税の申告期限から認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までの間に、認定医療法人の持分に基づき出資額に応じた払戻しを受けた場合
b 相続税の申告期限から認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までの間に、認定医療法人の持分の譲渡をした場合
c 認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までに、新医療法人への移行をしなかった場合
d 認定医療法人の認定移行計画について、厚生労働大臣の認定が取り消された場合
e 認定医療法人が解散をした場合(合併により消滅をする場合を除きます。)
f 認定医療法人が合併により消滅をした場合(合併により医療法人を設立する場合において相続人等が持分に代わる金銭その他の財産の交付を受けないときなど一定の場合を除きます。)

医療法人持分納税猶予税額の一部確定

 認定医療法人が認定移行計画に記載された移行期限までに、基金拠出型医療法人への移行をする場合において、相続人等が認定医療法人の持分の一部を放棄し、その残余の部分を基金拠出型医療法人の基金として拠出したとき
区分内  容
原則   上記(1)により納付する相続税額については、相続税の申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間(日数)に応じ、年6.6パーセントの割合で利子税がかかります。
特例各年の利子税特例基準割合(※1)が7.3パーセントに満たない場合には、その年中においては次の算式により計算した割合が適用されます。 算式[6.6% × 利子税特例基準割合(※1) ÷ 7.3%] (注)0.1パーセント未満の端数は切り捨て、その割合が0.1パーセント未満の割合である場合は年0.1パーセント
税特例基準割合については、国税庁の延滞税の割合をご参照ください。 

認定医療法人の認定移行期間中に、この特例の適用を受けている相続人等が死亡した場合には、その相続人等に係る医療法人持分納税猶予税額の納付義務は、その相続人等の相続人が承継いたします。

この特例の適用を受けるためにはの手続きは、①所轄の税務署に相続税の申告書を期限内に提出するとともに、➁医療法人持分納税猶予税額および利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。

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