相続税

相続 贈与

一般的に贈与税は贈与者及び受贈者に贈与の意思があって課税されます。 しかしながら、実態が贈与と同じような場合に、贈与者及び受贈者に贈与の意思がなければ贈与税を課税できないとするならば、課税の公平を保つことが出来ません。 この「不合理」を補うために、実質的に対価を支払わないで経済的利益を受けた場合においては、贈与契約の有無にかかわらず当該経済的利益を贈与により取得したものとみなして、贈与税が課税されています。

(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合)

区分       内  容
原則著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなして、課税されます。
例外当該財産の譲渡が、その譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。

所得税法59条に著しく低い価額の対価として政令で定める額(時価の1/2未満)の規定がありますが、相続税法等に規定はありません。 以前は相続税法等にも同様の規定がありましたが、このような画一的基準によって、明らかに贈与する意思で贈与した場合でも、時価の1/2以上であることによって、課税できないという不公平が生じていました。 これを是正するため、著しく低い価額の対価の判断は個々の具体的事案に基づき判断する必要があるという結論になり、今日に至りました。 したがいまして時価以下で売買することは慎重に考える必要があります。

区分      内   容
原則相続税法第五条から八条まで及び次節に規定する場合を除くほか、①対価を支払わないで、又は➁著しく低い価額の対価で➂利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を当該利益を受けさせた者から贈与(当該行為が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみしまなす。
例外ただし、当該行為が、当該利益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りではありません。

*[利益を受けた]の意義とは、おおむね利益を受けた者の財産の増加又は債務の減少があった場合等(労務の提供等を受けたような場合を除く)

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