所得税

事業所得

事業所得の必要経費

売上原価

  期首棚卸 + 商品等の仕入 - 期末棚卸

 *棚卸資産とは

 ①商品

 ➁材料

 ➂消耗機材

 ➃給食材料

 ⑤その他消耗品(貯蔵品に該当するもので毎年一定の購入の仕方の場合は棚卸を計算しないで購入額を必要経費に算入できる)

租税公課

 ①事業用資産に対する固定資産税(生計を一にする親族の所有する事業用資産の固定資産税も含む)

 ➁事業税

 ➂自動車税

 ➃事業用資産の登録免許税(登録により権利が発生する資産は取得価格算入)

 ⑤事業用資産の不動産取得税

 ⑥事業所得の利子税

 *所得税、住民税、相続税、贈与税、延滞税、加算金等は必要経費にならない

人件費等

 ①従業員に対する給与、賞与及び退職金

 ➁青色事業専従者に対する給与及び賞与

 ➂従業員の社会保険料で事業主の負担分

 ➃従業員の慰安の費用

 ⑤従業員の慶弔費用

 

修繕費

 ①事業用資産の通常の維持管理に要する費用は修繕費に該当します

 ➁その支出に資本的支出が含まれている場合は区分し修繕部分のみが修繕費になります

 ➂資本的支出と修繕費の区分  

判定基準              

判定基準資本的支出修繕費
支出金額が10万円未満
3年周期の支出
明らかに資本的支出
30万円未満
取得価格の10%以下
割合区分による方法支出金額 - 修繕費①支出金額の30%
➁取得金額の10%
①と➁の少ない金額
実質により判定資本的支出の場合資本的支出でない場合

旅費交通費

 ①従業員の通勤費

 ➁本人の通勤費(社会通念上妥当な額)

 ➂同業者会の参加費(事業の遂行の必要な費用)

 ➃海外への渡航費(事業の遂行に直接必要な費用)

接待交際費

 ①もっぱら事業の運営上必要な経費かどうかにより判断します

 *同業者会の定期総会の会合費

 ➁冠婚葬祭費は原則交際費にはならない(従業員に対する分は福利厚生費として必要経費に該当する)

保険料

 ①事業用建物(事業部分のみ)、事業用資産に対する火災保険

 ➁従業員に対する生命保険で定期保険の掛け金

 ➂従業員に対する傷害保険の掛け金

 ➃従業員に対する労災保険の保険料

 ⑤従業員に対する社会保険の事業主負担分

 *所得補償保険は必要経費になりません

減価償却費

 ①事業用資産(取得価額が10万円以上の物)の種類、用途に応じた耐用年数に基づき計算した償却費が必要経費になります

 ➁各種特例計算

 A 青色申告者に対する30万円未満の少額特例(所定の手続きにより全額必要経費に算入)

 B 年の途中に取得した資産の償却費は月数按分

 C 機械等の特別償却費は普通償却費に加算

 D 償却費は強制償却(該当年の償却費はその年の必要経費)

 E 生計を一にする親族の所有する事業用資産の償却費は本人の必要経費になります(ただし対価を支払っても必要経費に算入することが出来ません)

 F 遊休資産は事業の用に供するため維持補修がされていて、いつでも稼働できる状態にある場合は減価償却をすることが出来ます

 G リ-ス料は契約の種類により下記の様に区分されています

区分処理方法
所有権移転ファイナンスリ-ス(リ-ス期間中にキャンセルが出来なくて、資産に関して発生する費用は自己負担で期間終了時に所有権が移転する契約)リース料の総額を取得価格額に算入し法定耐用年数の期間で償却する
所有権移転外ファイナンスリ-ス(リ-ス期間中にキャンセルが出来なく、資産に関して発生する費用は自己負担で期間終了時に所有権が移転しない契約)リース料の総額を取得価格額に算入しリース期間定額法で償却する(ただし中小企業の場合は一定の条件のもと例外的に支払時に必要経費に算入することが出来る)
オペレ-ティングリ-ス(途中でキャンセルが出来る契約)リ-ス料を支払時に必要経費に算入する

繰延資産

①繰延資産とは個人が支出する費用のうちその効果が支出の日以後1年以上に及ぶ次に掲げるもので10万円以上のもの(前払費用は除く)

A 開業費  

事業を開始するまでの期間に支出する広告宣伝費、接待費、旅費、土地建物の賃借料、電気、水道、ガス等の費用

60か月で償却 (その支出金額の範囲内の金額をその年の必要桁費に算入する旨を確定申告書に記載した場合は記載した金額が償却費の額とすることが出来ます)

B 開発費  

新たな技術、新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓のために特別に支出する費用

60か月で償却 (その支出金額の範囲内の金額をその年の必要桁費に算入する旨を確定申告書に記載した場合は記載した金額が償却費の額とすることが出来ます)

C その他

種類細目償却期間
公共的施設の設置又は改良のために支出する費用(1) その施設又は工作物がその負担した者に専ら使用されるものである場合その施設又は工作物の耐用年数の7/10に相当する年数
(2) (1)以外の施設又は工作物の設置又は改良の場合その施設又は工作物の耐用年数の4/10に相当する年数
共同的施設の設置又は改良のために支出する費用(1) その施設がその負担者又は構成員の共同の用に供されるものである場合又は協会等の本来の用に供されるものである場合イ 施設の建設又は改良に充てられる部分の負担金については、その施設の耐用年数の7/10に相当する年数
ロ 土地の取得に充てられる部分の負担金については、45年
(2) 商店街等における共同のアーケード、日よけ、アーチ、すずらん灯等負担者の共同の用に供されるとともに併せて一般公衆の用にも供されるものである場合5年(その施設について定められている耐用年数が5年より短い場合には、その耐用年数)
建物を賃借するために支出する権利金等1) 建物の新築に際しその所有者に対して支払った権利金等で当該権利金等の額が当該建物の賃借部分の建設費の大部分に相当し、かつ、実際上にその建物の存続期間中賃借できる状況にあると認められるものである場合その建物の耐用年数の7/10に相当する年数
(2) 建物の賃借に際して支払った(1)以外の権利金等で、契約、慣習等によってその明渡しに際して借家権として転売できることになっていその建物の賃借後の見積残存耐用年数の7/10に相当する年数
(3) (1)及び(2)以外の権利金等の場合5年(契約による賃借期間が5年未満である場合において、契約の更新に際して再び権利金等の支払を要することが明らかであるときは、その賃借期間)相当する年数
電子計算機その他の機器の賃借に伴って支出する費用その機器の耐用年数の7/10に相当する年数(その年数が契約による賃借期間を超えるときは、その賃借期間)
ノウハウの頭金等5年(設定契約の有効期間が5年未満である場合において、契約の更新に際して再び一時金又は頭金の支払を要することが明らかであるときは、その有効期間の年数)
スキー場のゲレンデ整備費用12年
出版権の設定の対価設定契約に定める存続期間(設定契約に存続期間の定めがない場合には、3年)
同業者団体等の加入金5年
職業運動選手等の契約金等契約期間(契約期間の定めがない場合には、3年)

その他の費用

貸倒損失

 得意先が行方不明、資産状況から回収不能が明らかな場合はその債権を貸倒処理することが出来ます

損害賠償金

事業に関する損害賠償金は故意又は重大な過失がなければ必要経費になります

従業員の行為によって支払う侵害賠償金

従業員の行為に対して事業主に故意又は重大な過失がなければ必要経費になります

従業員の交通反則金

事業に関連して従業員の交通反則金を支払った場合も必要経費になりません(所得税法では罰金、科料、過料は必要経費になりません)。 事業に関係しない場合は従業員対する給与として必要経費になります。

研究費

事業に直接必要な研究、研修費用は必要経費になります(図書費、学会等の参加費等)

貸倒引当金

必要経費算入限度額 = 年末の貸金等の額(社会保険診療報酬の未収分も含む) × 55 ÷ 1000

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