相続 財産評価
相続税の財産評価方法(本来の取得財産)
1 預貯金等
⑴ 預貯金
区 分 | 金 額 |
原則 | 課税時期の預入高+経過利子の額×(1-源泉徴収税率) |
普通預金、通常貯金で経過利子が少額の場合 | 課税時期の預入高 |
経過利子の額の計算 | 課税時期の預入高×課税時期の中途解約利率×経過日数÷365日 |
中間利払いの定めがある経過利子の額 | 課税時期の預入高×課税時期の中途解約利率×経過日数÷365日-預入高×中間利払率 |
端数処理 | 円未満切り捨て |
経過日数 | 預入日から課税時期までの片端入れによる日数 |
⑵ 外貨の評価方法
相続税の計算する場合において、外貨(外国通貨)がある場合はまず外貨を邦貨(円)に換算する必要があります。 この場合、課税時期における納税義務者の取引金融機関が公表する課税時期における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場により行います。
*対顧客直物電信買相場とは、金融機関が顧客から外貨を買って邦貨を支払う場合(納税義務者にとっては外貨を邦貨に交換する場合)の相場をいいます。 なお、課税時期に為替相場がない場合には課税時期より前の日で最も近い日の最終の対顧客直物電信買相場(TTB)で計算することになります。
*参考 為替レートにはTTB(対顧客直物電信買相場)、TTM(対顧客電信相場仲値)、TTS(対顧客直物電信売相場)などの複数のレ-トがあります。
為替レ-トの種類 | 内容 | 適用方法 |
TTB | 対顧客直物電信買相場 | 資産を換算する場合に使用する |
TTM | 対顧客電信相場仲値 | ー |
TTS | 対顧客直物電信売相場 | 負債を換算する場合に使用する |
⑶ 貸付金債権等
区分 | 金額 |
原則 | 元本の価額+利息の価額 |
課税時期に全額回収不能の場合 | 評価しない |
課税時期に一部回収不能の場合 | (元本の価額-回収不能額)+利息の価額 |
2 株 式
⑴上場株式 (令和4年1月1日現在)
評価方式
①課税時期の最終価格 |
➁課税時期当月の最終価格の月平均額 |
➂課税時期前月の最終価格の月平均額 |
➃課税時期前々月の最終価格の月平均額 |
①から➃うち最低額 |
国内の2以上の金融商品取引所に上場されている場合
状 況 | 処 理 |
国内の2以上の金融商品取引所に上場されている場合 | いずれか低い価格を採用することができる |
課税時期に最終価格がない場合 | 課税時期の前日以前の最終価格又は翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格をもって最終価格とする。 またのその場合に、日数の差が同じときはその平均額をもって最終価格とする。 |
課税時期が株式の割り当て等の基準日以前にある場合 | 権利落ち等の日の前日以前の最も近い日の最終価格を課税時期の最終価格とする |
課税時期が株式の割り当て等の基準日以後にある場合 | 権利落ち等の日以後に最も近い日の最終価格を課税時期の最終価格とする |
上記二つの場合のほか課税時期が配当の基準日以前又は翌日以後にある月平均額については別途規定があります |
⑵取引相場のない株式 (令和4年1月1日現在)
①少数株式保有者以外の同族株主等の場合(原則的評価方式)
筆頭株主グル-プの議決権割合の状況 | 株主区分の判定 | ||
①筆頭株主グル-プの議決権割合50%超の場合 | ②筆頭株主グル-プの議決権割合30%以上50%以下の場合 | ③筆頭株主グル-プの議決権割合30%未満の場合 | |
納税者の属する株主グル-プの議決権割合50%超 | 納税者の属する株主グル-プの議決権割合30%以上 | 納税者の属する株主グル-プの議決権割合15%以上 | 同族株主等 |
納税者の属する株主グル-プの議決権割合50%未満 | 納税者の属する株主グル-プの議決権割合30%未満 | 納税者の属する株主グル-プの議決権割合15%未満 | 同族株主等以外の株主 |
比較要素 | 内 容 |
従業員数 | 継続勤務従業員数+継続勤務従業員数以外の従業員の労働時間の合計÷1800時間 |
総資産価額 | 直前期末の総資産額(貸借対照表に記載された帳簿金額) |
直前期末以前1年間の取引金額 | 直前期末以前1年間の取引金額(売上金額、収入利息、収入手数料等) |
区分 | 評価価格 |
イ (評価会社が大会社に該当する場合) | A 類似業種比準価額 B 純資産価額 C AとBのうちどちらか低い価額 |
ロ (評価会社が中会社に該当する場合) | 類似業種比準方式による評価額 × Lの割合 + 純資産価額 × (1-Lの割合) *Lの割合 (純資産価額及び従業員に応ずる割合のどちらか小さい方)と(取引金額に応ずる割合)のどちらか大きい方で( 0.90、 0.75、 0.60に区分)*株式取得者と同族関係者の議決権割合が50%以下の場合の純資産価額 純資産価額×80% |
ハ (評価会社が小会社に該当する場合) | A 純資産価額 B 類似業種比準価額×0.5+純資産価額×(1-0.5) C AとBのうちいずれか低い価額 *株式取得者と同族関係者の議決権割合が50%以下の場合の純資産価額 純資産価額×80% |
Lの割合 評価上の株主の判定及び会社規模の判定の明細書(続)の中会社の欄に記載されています。
➁少数株式保有者(同族株主等に該当する納税者のうち議決権割合が5%未満の者)
区 分 | YES | NO |
A その者が役員である | 原則的評価方式等 | Bへ |
B 納税義務者が中心的な同族株主である | 原則的評価方式等 | Cへ |
C 納税義務者以外に中心的な同族株主がいる | 配当還元方式 | 原則的評価方式等 |
➂同族株主以外の株主(配当還元方式)
⑴ 配当還元価額 ➁ 原則的評価額方式による評価額 ➂ ①又は➁のうちいずれか低い方 |
3 土 地
宅 地
⑴評価方式
宅地の状況 | 評価方式 |
① 路線価がある地域にある宅地 | 路線価方式 |
➁ それ以外の地域にある宅地 | 倍率方式 |
⑵路線価方式による評価
①一方のみ路線に接する宅地
路線価×奥行価格補正率×地積 |
➁複数の路線に接する宅地
A 正面と側方が路線に接する宅地
イ 正面路線価×奥行価格補正率 ロ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率 ハ (イ+ロ)×地積 |
正面路線価の判定方法
(a路線価×奥行価格補正率)と(b路線価×奥行価格補正率)のどちらか高い方
B 正面と裏面が路線に接する宅地
イ 正面路線価×奥行価格補正率 ロ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率 ハ (イ+ロ)×地積 |
C 正面と側方が路線と接する宅地
イ 正面路線価×奥行価格補正率 ロ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率 ハ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率 ニ (イ+ロ+ハ)×地積 |
D 四方の路線と接する宅地
イ 正面路線価×奥行価格補正率 ロ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率 ハ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率 ニ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率 ホ (イ+ロ+ハ+ニ)×地積 |
⑶倍率方式
原 則
固定資産税評価額 × 倍率 |
登記上の地積と実際の地積が異なる場合
固定資産税評価額 × (実際の地積)/(登記上の地積) × 倍率 |
⑷宅地等の評価単位
宅地は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいう。)を評価単位とする。
(注) 贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば、分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とする。
⑸その他
宅地の形状、立地等により下記のように評価額が調整されます。
小規模宅地等の特例
1 概 要
個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用または居住の用に供されていた宅地等(土地または土地の上に存する権利をいいます。以下同じです。)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記の「減額される割合等」の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。
宅地の利用区分 | 限度面積 | 減額割合 |
特定事業用宅地等である小規模宅地等 | 400㎡ | 80% |
特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等 | 400㎡ | 80% |
貸付事業用宅地等である小規模宅地等 | 200㎡ | 50% |
特定居住用宅地等である小規模宅地等 | 330㎡ | 80% |
*特定事業用宅地等の意義
被相続人等が生前において事業の用に供していた宅地等をいいます。
区分 | 特例の適用要件 |
被相続人の事業の用に供されていた宅地等 | ①その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税申告期限までに引継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること ➁その宅地等を相続税の申告期限まで有していること |
被相続人と生計を一にしてた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等 | ①相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んどいること ➁事業の用に供されていた宅地等 |
*特定同族会社事業用宅地等の意義
特定同族会社事業用宅地等とは、被相続人等が特定の同族会社に賃貸していた宅地等でその法人の事業の用に供されていたものを、その法人の役員である被相続人の親族が取得し、相続税の申告期限まで保有し、申告期限までその法人の事業の用に供しているものをいいます。
区分 | 特例の適用要件 |
一定の法人の事業の用に供されていた宅地等 | ①相続税の申告期限においてその法人の役員であること ➁その宅地等を相続税の申告期限まで有していること |
*特定居住用宅地等の意義
特定居住用宅地等とは被相続人や被相続人と生計を一にしていた相続人が居住用に使っていた宅地等で一定の要件に該当する土地です。
区分 | 取得者 | 取得者ごとの要件 |
被相続人の居住の用に供されていた宅地地等 | ①被相続人配偶者 | なし |
➁被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族 | 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること | |
➂上記①及び➁以外の親族 | 次の①から⑥までの全ての要件を満たすこと ①居住制限納税義務者又は非居住納税制限義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと ➁被相続人に配偶者がいないこと ➂相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合は、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと ➃相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます)に居住したことがないこと ⑤相続開始時に取得者が居住している家屋を相続開始前の何れの時においても所有したことがないこと ⑥その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること | |
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 | 被相続人の配偶者 | なし |
被相続人と生計を一にしていた親族 | 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有していること |
*貸付事業用宅地等の意義
貸付事業用宅地等とは、他人に賃貸した宅地等や、賃貸アパートの敷地になっている土地等をいいます。 被相続人や被相続人と生計を一にする親族が不動産貸付業に使っていた土地等は、貸付事業用宅地等の特例の対象となります。
区分 | 特例の適用要件 |
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等 | ①その宅地等にかかる被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること ➁その宅地等を相続税の申告期限まで有していること |
被相続人と生計を一にしていた被相続人親族の貸付事業の用に供されていた宅地等 | ①相続開始前から相続税の申告期限までその宅地等に係る貸付事業を行っていること ➁その宅地等を相続税の申告期限まで有していること |
区分 | 面積 |
イ 特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等(以下特定事業用等宅地等という)である特例の適用を選択する宅地等 | 面積の合計が400㎡以下であること |
ロ 特定居住用宅地等である特例の適用を選択する宅地等 | 面積の合計が330㎡以下であること |
ハ 貸付事業用宅地等である特例の適用を選択する宅地等 | 次の①、➁及び➂の面積が200㎡以下であること ①特定事業用等宅地等である特例の適用を選択する宅地等がある場合 面積の合計×200÷400 ➁特定居住用宅地等である特例の適用を選択する宅地等がある場合 面積の合計×200÷330 ➂貸付事業用宅地等である特例の適用を選択する宅地等 面積の合計 |
2特例を受けるための手続き
この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に、この特例の適用を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。
3未分割である場合
当初の申告時には、その分割の行われていない財産について、これらの特例の適用を受けることはできませんが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができます。この場合、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行うことができます。
地積規模の大きな宅地とは
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます。
(ただし下記の宅地は地積規模の大きな宅地から除かれます)
宅地の種類 |
市街化調整区域に所在する宅地 |
都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地 |
指定容積率が400パーセント(東京都の特別区においては300パーセント)以上の地域に所在する宅地 |
財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地 |
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地
所在地の区分 | 内 容 |
路線価地域に所在するもの | 地積規模の大きな宅地のうち、普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に所在するもの |
倍率地域に所在するもの | 地積規模の大きな宅地に該当する宅地 |
評価方法
規模格差補正率
規模格差補正率は、次の算式により計算します(小数点以下第2位未満は切り捨てます。)。
上記算式中の[B]及び[C]は地積規模の大きな宅地の所在する地域に応じて、それぞれ次に掲げる表のとおりです。
(1) 三大都市圏に所在する宅地
地積 | 普通商業・併用住宅 地区、普通住宅地区 | |
---|---|---|
500㎡以上1,000㎡未満 | 0.95 | 25 |
1,000㎡以上3,000㎡未満 | 0.90 | 75 |
3,000㎡以上5,000㎡未満 | 0.85 | 225 |
5,000㎡以上 | 0.80 | 475 |
(2) 三大都市圏以外の地域に所在する宅地
地積 | 普通商業・併用住宅 地区、普通住宅地区 | |
---|---|---|
1,000㎡以上3,000㎡未満 | 0.90 | 100 |
3,000㎡以上5,000㎡未満 | 0.85 | 250 |
5,000㎡以上 | 0.80 | 500 |
駐車場用の土地の評価
概要
貸駐車場として貸している土地の価額は、その土地の自用地(雑種地)としての価額により評価することになります。 ただし、この場合において貸主が土地を貸すだけで、借主が駐車場を整備(舗装、車庫、フェンスの設置等)をして貸し付けている場合は賃借権を控除できることになります
この場合の賃借権の価額は、次の区分に応じたそれぞれの価額によります。
⑴ 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権
具体的には、土地の賃貸借契約で賃借権の登記がされているもの、契約の際に権利金や一時金等金銭の授受があるもの、構築物の所有を目的とするものなどが該当します。
① 自用地としての価額 × 〔(賃借権の残存期間に応じその賃借権が地上権であるとした場合の法定地上権割合)または(借地権であるとした場合の借地権割合 )のいずれか低い割合〕
(注1) 「法定地上権割合」は、相続税法第23条に規定する割合です。
(相続税法第23条)
地上権(借地借家法(平成3年法律第90号)に規定する借地権又は民法第269条の2第1項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
借地権の存続期間 | 10年以下のもの | 10年超15年以下のもの | 15年超20年以下のもの | 20年超25年以下のもの | 25年超30年以下のもの 及び地上権で存続期間の定めのないもの |
割合 | 5% | 10% | 20% | 30% | 40% |
借地権の存続期間 | 30年超35年以下のもの | 35年超40年以下のもの | 40年超45年以下のもの | 45年超50年以下のもの | 50年超 |
割合 | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% |
➁ 自用地としての価額に乗ずる割合が、次の割合を下回る場合には、自用地としての価額に次の割合を乗じて計算した金額が賃借権の価額となります。
賃借権の残存期間 | 5年以下 | 5年超 10年以下 | 10年超 15年以下 | 15年超 |
---|---|---|---|---|
割合 | 5% | 10% | 15% | 20% |
(2) (1)に掲げる賃借権以外の賃借権
① 自用地としての価額 × 賃借権の残存期間に応じその賃借権が地上権であるとした場合の法定地上権割合の2分の1に相当する割合
(注1) 「法定地上権割合」とは、相続税法第23条に規定する割合です。 [(1)①参照]
私道の評価
私道の利用状況と評価方法
私道とは、個人や法人が所有している道路状の土地のことをいい、国や都道府県、市区町村が管理する道路を公道と呼び区分しています。 私道の評価についてはその道路の利用状況に応じて、下記のように定められています。
私道の利用状況 | 評価方法 |
⑴ 不特定多数の者の通行の用に供するいわゆる通り抜け道路及び、行き止まり道路で地域の集会所等へのアクセス道路等 | その価額を評価しない(課税しない) |
⑵ その他行き止まり道路 | *通常の評価額×30% |
⑶ 特定の宅地の通路として専ら利用している路地状敷地 | 特定の宅地と一体として評価します |
*通常の評価額とはその宅地の所在地の状況に応じて、路線価方式又は倍率方式(私道であることを考慮して決定されている場合がありますが、その場合は、その私道が私道でないものとしたときの固定資産税評価額に倍率を乗じた金額)により評価した金額。
無道路地の評価
無道路地とは
無道路地とは、道路に接していない宅地及び接道義務の要件を満たしていない宅地をいいます。
接道義務とは、建築基準法で定められている道路と敷地に関する規定(建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離)のことです。
評価額
無道路地の価額は、その土地の路線価に基づき不整形地の評価または地積規模の大きな宅地の評価によって計算した価額から、その価額の40パーセントの範囲内において相当と認める金額を控除した価額によって評価します。
なお、隣接した他人の敷地に他人の土地を通行できる権利を設定している場合は、無道路地の評価をいたしません。
農 地
1純農地
固定資産評価額 × 倍率 |
2中間農地
固定資産評価額 × 倍率 |
3市街地周辺農地
⑴ 評価方法
(農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額-1㎡当りの造成費相当額)×地積×80/100 |
⑵ 農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額の算定方法
付近の宅地の1㎡当たりの価額×較差割合 |
4 市街地農地
⑴ 評価方式
① 原則
(農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額-1㎡当りの造成費相当額)×地積 |
➁ 例外(市街化区域内にある市街地農地で倍率評価できる場合)
固定資産評価額 × 倍率 |
⑵ 農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額の算定方法
付近の宅地の1㎡当たりの価額×較差割合 |
4 家 屋
1 自用家屋(使用貸借による貸付も含む)
固定資産税評価額×1.0 |
2 貸家
自用家屋評価額×(1.0-借家権割合) |
貸家に空室がある場合
自用家屋評価額×(1.0-借家権割合×賃貸割合) |
3 家屋と構造上一体となっている設備(電気設備、ガス設備、衛生設備、給排水設備、昇降設備等)
家屋の評価に含まれているため評価しない |
4 建築中の家屋
費用現価×70/100 |
5 配偶者居住権
概要
配偶者居住権とは,被相続人が所有していた家屋に、残された配偶者が, 亡くなった人が所有していた建物に,亡くなるまで又は一定の期間,無償で 居住することができる権利です。
配偶者居住権の価額等
配偶者居住権の価額
(注) 居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合または被相続人が相続開始の直前において居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。
居住建物の価額
(注) 上記「配偶者居住権の価額」で求めた配偶者居住権の価額です。
敷地利用権の価額
(注) 居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合または被相続人が相続開始の直前において居住建物の敷地を他の者と共有し、もしくは居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。
居住建物の敷地の用に供される土地の価額
(注) 上記「敷地利用権の価額」で求めた敷地利用権の価額です。 (国税庁HPより)
(用語の説明)
項 目 | 内 容 |
耐用年数 | 法定耐用年数×1.5倍 (木造33年 鉄筋コンクリ-ト71年等) |
経過年数 | 建物の経過年数(建築時から相続開始時までで、6か月以上の端数は1年、6か月未満の端数は切捨て) |
存続年数 | 配偶者居住権の存続期間です。 配偶者居住権の存続期間は自由に決めることができますので、1、2年だけでもいいですし、配偶者が死亡する時までの終身でも可能です。 終身にした場合は厚生労働省の完全生命表による性別、年齢に応じた平均余命年数となります。 |
複利現価率 | 存続年数に応じた法定利率に対する複利現価表による利率 |
マンションの評価方法
評価額
マンションの評価方法については、①土地(敷地権)の価額と➁区分所有する建物の価額の合計額になります。
区分 | 評価方法 |
①土地の評価 | マンションの敷地全体の価額 × 区分所有する建物に係る敷地権の割合 |
➁建物の評価 | 区分所有する建物の固定資産税評価額 |
敷地全体の価額 及び敷地権の割合
財産区分 | 土地の評価方法 | 計算方法 |
敷地全体の評価方法 | 路線価方式 | 路線価 × 地積[登記事項証明書の表題部(敷地権の目的である土地の表示)に記載されている地積] |
倍率方式 | その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。 | |
敷地権割合 | 登記事項証明書の表題部(敷地権の表示)に記載されている敷地権の割合 |
改正の概 要
(注1) 令和6年1月1日以後の相続等又は贈与により取得した財産に適用する。
(注2) 上記の評価方法の適用後も、最低評価水準と重回帰式については、固定資産税の評価の見直し時期に併せて、当該時期の直前における一戸建て及びマンション一室の取引事例の取引価格に基づいて見直すものとする。
また当該時期以外の時期においても、マンションに係る不動産価格指数等に照らし見直しの要否を検討するものとする。
① 一戸建ての物件とのバランスも考慮して、相続税評価額が市場価格理論値の60%未満となっているもの(乖離率1.67倍を超えるもの)について、市場価格理論値の60%(乖離率1.67倍)になるよう評価額を補正する。
② 評価水準60%~100%は補正しない(現行の相続税評価額×1.0)
③ 評価水準100%超のものは100%となるよう評価額を減額する。
相続税評価の見直し案(要旨 )
評価方法
1.区分所有に係る財産の各部分(建物部分及び敷地利用権部分。ただし、構造上、居住の用途に供することができるものに限
る。以下「マンション一室」という。)の価額は、次の算式により計算した価額によって評価することとする。
区分 | 細目 | |
計算式 | 原則 | 重回帰式による理論的な市場価格=現行の相続税評価額 × 当該マンション一室の評価乖離率 × 最低評価水準0.6(定数) |
評価乖離率が0.6分の1以下(約1.67以下)となるマンション一室の評価額 | 現行の相続税評価額×1.0とする | |
評価乖離率が1.0未満となるマンション一室の評価額 | 現行の相続税評価額×当該マンション一室の評価乖離率 | |
不動産鑑定評価書等に照らし評価額が通常の取引価額を上回ると認められる場合には | 当該価額 | |
注1 | 「マンション一室」には、総階数2階以下の物件に係る各部分及び区分所有されている居住用部分が3以下であって、かつ、その全てが親族の居住用である物件(いわゆる二世帯住宅等)に係る各部分は含まない。 | |
注2 | 令和6年1月1日以後の相続等又は贈与により取得した財産に適用する。 |
評価乖離率
区分 | 詳細 |
評価乖離率 | 「①×△0.033+②×0.239+③×0.018+④×△1.195+3.220」により計算したものとする。 |
① | 当該マンション一室に係る建物の築年数 |
➁ | 当該マンション一室に係る建物の「総階数指数」として、「総階数÷33(1.0を超える場合は1.0)」 |
➂ | 当該マンション一室の所在階 |
➃ | 当該マンション一室の「敷地持分狭小度」として、「当該マンション一室に係る敷地利用権の面積÷当該マンション一室に係る専有面積」により計算した値 |
【参考】上記の算式は、次の(1)の目的変数と(2)の説明変数に基づく重回帰式である。 (1)目的変数 平成30年分のマンション一室の取引事例における取引価格÷当該マンション一室の相続税評価額 (2)説明変数 2.に掲げる算式における①、②、③、④ |
注意事項
3.上記の評価方法の適用後も、最低評価水準と重回帰式については、固定資産税の評価の見直し時期に併せて、当該時期の
直前における一戸建て及びマンション一室の取引事例の取引価格に基づいて見直すものとする。
また、当該時期以外の時期においても、マンションに係る不動産価格指数等に照らし見直しの要否を検討するものとする。
加えて、マンション市場価格の大幅な下落その他見直し後の評価方法に反映されない事情が存することにより、当該評価方
法に従って評価することが適当でないと認められる場合は、個別に課税時期における時価を鑑定評価その他合理的な方法によ
り算定する旨を明確化する(他の財産の評価における財産評価基本通達6項に基づくこれまでの実務上の取扱いを適用。)
6 構築物
構築物の評価額は、その構築物の再建築価額から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価します。この場合における償却方法は、定率法によるものとし、その耐用年数は法定耐用年数によります。
7 動 産
一般動産
区 分 | 評価額 |
①原則 | 売買実例価額、精通者意見価格等 |
➁売買実例価額等が明らかでない場合 | その動産と規格及び品種が同程度の新品の課税時期における小売価額 - 償却費(定率法による)の額の合計額又は減価の額 |
2 美術品、宝石、ブランド品等
美術品、宝石、ブランド品、その他これに類する動産について、その真贋鑑定を行い、鑑定書又はそれに類する証明書等を付すことでその価値が高まると認められる場合は、鑑定人等に鑑定を依頼するものとし、また、見積価額が比較的低額と認められる財産で、適当な取引事例があり評価可能と認められるときは、精通者意見等を参考にするなど、合理的かつ簡易な方法で評価して差し支えありません。
なお、美術品等の評価に当たっては、その種別、作者別、年代別等による市場価格又は類似品の取引における価格を参考として評価することとなります。
(注) 書画、骨とう等の評価については、当該書画、骨とう等が有名品であっても、それらに箱書、奥書、鑑定書等がある場合とない場合、更に鑑定者の有名、無名等によって、その価格に相当の開差があることに留意する。
3 金、純金、金のインゴット
原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価することとされていますが、その売買実例価額や精通者意見価格等が明らかでないものについては、同種、同規格の新品の小売価額から減価の額等を控除して評価することになります。 またインゴットの評価は被相続人が亡くなった日の業者買取価格を基に算定します
8 ゴルフ会員権
1 取引相場の有る会員権
区 分 | 評価額 |
①原則 | 課税時期における通常の取引価格 × 70% |
➁取引価格に含まれない預託金等がある場合 | 課税時期における通常の取引価格 × 70% + 預託金等 |
預託金等の評価額
イ 課税時期に直ちに返還を受けることが出来る場合 | 返還を受けることが出来る預託金等の金額 |
ロ 課税時期から一定期間を経過した後に返還を受けることが出来る場合 | 返還を受けることが出来る預託金等の金額 × 残存期間に応ずる基準年利率の複利現価率 |
2取引相場のない会員権
区 分 | 評価額 |
①株主でなければ会員になれない会員権 | その会員権にかかる株式の価額に相当する金額(相続税評価額) |
➁株主であり、かつ預託金等を預託しなければ会員になれない会員権 | その会員権にかかる株式の価額に相当する金額(相続税評価額) + 預託金等 |
➂預託金等を預託しなければ会員になれない会員権 | 預託金等 |
3 預託金等の返還を受けることが出来ない会員権
評価しません
9 棚卸商品等
1 商品、製品及び生産品
販売価額-(適正利潤の額+予定経費の額+納付すべき消費税の額) |
2 原材料、半製品及び仕掛品
仕入価額+その原材料の引取り等に要する運賃その他の経費の額を加算した金額によって評価する。 |
3 不動産売買業者が所有する販売目的の土地、家屋の場合
棚卸商品等の評価方法に準じる方法 |
4 販売業者が所有する書画骨董品
(1) 書画骨とう品で書画骨とう品の販売業者が有するものの価額は、≪たな卸商品等の評価≫の定めによって評価する。 (2) (1)に掲げる書画骨とう品以外の書画骨とう品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。 |
10 弔慰金
被相続人の死亡時の勤務先などから受け取った弔慰金などの金銭のうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分は退職金として相続税の課税対象になり、それ以外の金銭は、下記の基準により弔慰金と退職金と区分し、弔慰金に該当した金額は相続税が非課税となり、退職金に該当した金額は課税対象になります。
弔慰金に該当する金額
(1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき
死亡時の普通給与(俸給、給料、賃金等及び諸手当の合計額をいいます) × 36ケ月
(2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき
死亡時の普通給与(俸給、給料、賃金等及び諸手当の合計額をいいます) × 6ケ月
(実質上退職手当金等に該当すると認められる部分とは)
①退職給与規定その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合
その規定等により判定
➁それ以外の場合
被相続人の地位、功労等を考慮し、雇用主が営む事業と類似する事業と比較し、同様の地位にある者が受け取った、または受けると認められる額等を勘案して判定
11 暗号資産
暗号資産(仮想通貨)の概略
暗号資産(仮想通貨)とは、①インターネットを通じて不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換でき、➁電子的に記録され、移転でき、➂法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではないもので通貨のような機能を持つ電子データです。 具体的にはビットコイン、イーサリアム、ライトコイン等、様々な種類が存在します。
暗号資産は、国家や中央銀行によって発行された法定通貨ではなく、裏付け資産を持っていないことなどからその価値も保証されていませんのでさまざまな要因によって、暗号資産の価格が大きく変動する傾向にあります.。
相続や贈与により取得した場合の課税
被相続人等から暗号資産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されます。 相続税法では、個人が財産(現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます) を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税の課税対象とすることとされています。
暗号資産については、決済法上、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」と規定されていることから、被相続人等から暗号資産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されることになります。
暗号資産の評価方法
活発な市場が存在する暗号資産は、相続人等の納税義務者が取引を行っている暗号資産交換業者が公表する課税時期における取引価格によって評価します。 暗号資産の相続税の評価方法については、評価通達に定めがありませんので、評価通達5((評価方法の定めのない財産の評価))に基づき、評価通達に定める評価方法に準じて評価することとなります。
⑴ 活発な市場が存在する暗号資産については、相続人等の納税義務者が取引を行っている暗号資産交換業者が公表する課税時期における取引価格(注2、3、4)によって評価します。
⑵ 活発な市場が存在しない暗号資産の場合には、客観的な交換価値を示す一定の相場が成立していないため、その暗号資産の内容や性質、取引実態等を勘案し個別に評価します(注5)
(注意事項)
区 分 | 内 容 |
1 活発な市場が存在する場合とは | 暗号資産取引所又は暗号資産販売所において十分な数量及び頻度で取引が行われており、継続的に価格情報が提供されている場合をいいます。 |
2 暗号資産交換業者が公表する課税時期における取引価格 | 暗号資産交換業者が納税義務者の求めに応じて提供する残高証明書に記載された取引価格を含みます。 |
3 暗号資産交換業者(暗号資産販売所)において、購入価格と売却価格がそれぞれ公表されている場合 | 納税義務者が暗号資産を暗号資産交換業者に売却する価格(売却価格)で評価して差し支えありません。 |
4 納税義務者が複数の暗号資産交換業者で取引を行っている場合 | 納税義務者の選択した暗号資産交換業者が公表する課税時期における取引価格によって評価して差し支えありません。 |
5 売買実例価額、精通者意見価格等 | 売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する方法等。 |
みなし取得財産
みなし取得財産の概要
番号 | 種類 | 詳細 |
1 | 生命保険金等 | ⑴被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります ⑵この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)である場合、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。 非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数⑶相続放棄をした人も受取人であれば、保険金は受け取れますので相続税の申告が必要になる場合もありす。 |
2 | 退職手当等 | ⑴被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(これらを「退職手当金等」といいます。)を受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。 ⑵すべての相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)が取得した退職手当金等を合計した額が、次の式により計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。 非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数⑶弔慰金等に該当する場合の非課税金額 ①被相続人の死亡が業務上の死亡の場合 弔慰金等のうち普通給与の3年分 ➁被相続人の死亡が業務上の死亡でない場合 弔慰金等のうち普通給与の半年分 ➂その他上記①➁をこえる場合でも労働者災害補償保険法等に基づく遺族補償給付等所定のものは弔慰金に該当する⑷相続放棄をした人は、被相続人の勤務先の退職給与規定等により、受け取れるかどうか変わってきます。 特にその退職金等が被相続人が受け取るべきものであると判断された場合で、相続人が退職手当等を既に受け取ていた場合は相続放棄が出来なくなりますので、くれぐれも御注意ください。 |
3 | 生命保険契約に関する権利 | 被保険者でない保険契約者が死亡した場合における生命保険契約に関する権利についての取扱いは、次に掲げるところによるものとなります。(昭57直資2-177改正) (1) その者が当該契約(一定期間内に保険事故が発生しなかった場合においては、返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く。以下(2)において同じ。)による保険料を負担している場合(法第3条第1項第3号の規定により、相続又は遺贈によって保険契約に関する権利を取得したものとみなされる場合を含む。)には、当該契約に関する権利は、相続人その他の者が相続又は遺贈により取得する財産となること。 |
4 | 定期金に関する権利関係 | 定期金給付事由の発生前に掛金又は保険料の負担者が死亡した場合におけるその定期金給付契約に関する権利は、契約者と掛金又は保険料の負担者とが同一人でないときは法第3条第1項第4号の規定によって契約者が掛金又は保険料の負担者からその負担した掛金又は保険料の金額のその相続の開始の時までに払い込まれた掛金又は保険料の全額に対する割合に相当する部分を相続又は遺贈により取得したものとみなされます。 |
5 | 保証期間付定期金に関する権利 | 相続税法3①五参照 |
6 | 契約に基づかない定期金に関する権利 | 相続税法3①六参照 |
7 | 特別縁故者に対する財産分与 | 相基通4-4参照 |
8 | 特別寄与料 | 相基通4-3、4-4参照 |
9 | 信託財産 | 相続税9の➁他参照 |
10 | 低額譲受 | 相続税7参照 |
11 | 債務免除益 | 相続税8参照 |
12 | その他の利益の享受 | 相続税9参照 |
13 | 贈与税の納税猶予を受けていた非上場株式等 | 措置法70の7の4他参照 |
14 | 贈与税の納税猶予又は延長の特例を受けていた農地等 | 措置法70の5①参照 |
15 | 贈与税の納税猶予の適用を受けていた事業用資産 | 措置法70の6の10参照 |
16 | 結婚、子育て資金の非課税の特例を受けていた場合の管理残額 | 措置法70の2の3⑩二参照 |
17 | 教育資金の非課税の特例を受けていた場合の管理残額 | 措置法70の2の2⑩二参照 |
被相続人の死亡に伴い受け取る生命保険の課税関係
受け取った保険金 | 税 目 | 保険金の受け取り方 | 課税対象金額 | ||
被保険者 | 保険料負担者 | 保険金受取人 | |||
A | A | B | 相続税 ①相続人が受け取る場合-相続 ➁相続人以外が受け取る場合-遺贈 | 一時金で受け取る場合 | 受取金額-非課税金額(500万円×法定相続人数) |
年金で受け取る場合 | 年金を受け取る権利 | ||||
A | B | B | 所得税 | 一時金で受け取る場合(一時所得得) | (受取金額-特別控除)×1/2 |
年金で受け取る場合(雑所得) | その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料または掛金の額を差し引いた金額です。 | ||||
A | B | C | 贈与税 | 一時金で受け取る場合 | 受取金額 |
年金で受け取る場合 | 年金を受け取る権利 |
弔慰金
被相続人の死亡によって受ける弔慰金や葬祭時の花輪代、香典などについては、通常相続税の課税対象になりません。 しかし下記の様な場合の弔慰金は死亡退職金として課税される場合があります。
内 容 | みなし相続財産に該当 | |
1 | 被相続人の雇用主などから受け取った弔慰金などのうち、社会通念上、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分は退職手当金等として相続税の対象となります。 (注1) 実質上退職手当金等に該当すると認められる部分とは、 ⑴ 弔慰金等を弔慰金規定、退職給与規定その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合においては、その規定等により判定 ⑵ その他の場合は、被相続人の勤務していた事業所での地位、功労等を考慮し、、その同業他事業所等において同様の地位にある者が受け、または受けると認められる額等を勘案して判定します。 | 実質上退職手当金等に該当すると認められる部分―退職金等 |
2 | 上記1以外の部分については、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額とし、その金額を超える部分に相当する金額は、退職手当金等として相続税の対象となります。 (1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき 被相続人の死亡当時の普通給与の月額 × 36(3年分) (2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき 被相続人の死亡当時の普通給与の月額 × 6(半年分) (注1) 普通給与とは、俸給、給料、賃金、扶養手当等の各種手当などの合計額をいいます。 | 超える部分に相当する金額―退職金等 |
相続開始前3年以内の贈与加算
概 略
生前に被相続人の財産を相続人等に贈与して相続税の課税対象となる財産を減らすことで相続税を減らすことが出来ます。 しかし、国税庁としても節税目的で、亡くなる直前に行われる生前贈与を無制限に認めると課税の公平を保つことが出ませんので、被相続人の死亡日前3年以内の贈与財産のうち一定の要件を満たすものを、その人の相続税の課税価格に贈与時の価額を加算して相続税を計算することにしています。 相続税の実務上、これを生前贈与加算といいます。
生前贈与加算の対象となる人
相続、遺贈及び相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に暦年課税に係る贈与によって取得した財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。 生前贈与加算の対象となるのは、下記に該当する人です。
相続や遺贈により財産を取得した人
生前贈与加算の対象者は法定相続人か否かではなく、「実際に相続や遺贈によって何らかの財産を取得したかどうか」によって判断されます。したがって、法定相続人でも相続放棄などの理由により財産を取得しない場合には、生前贈与加算は不要となります。また、相続人ではない孫でも遺言によって何らかの財産を遺贈された場合には、生前贈与加算の対象となります。
みなし相続財産の受取人(相続や遺贈により財産を取得した人に該当します)
みなし相続財産とは、生命保険金や死亡退職金など、民法上の相続財産ではないものの、相続税の課税対象とにる財産をいいます。 遺産分割や遺言によって財産を取得しなかった場合でも、みなし相続財産の受取人となっている場合は、その人が死亡日前3年以内に贈与を受けた財産については生前贈与加算の対象となります。
相続時精算課税制度の適用者
相続時精算課税制度とは、贈与財産の種類にかかわらず、60歳以上の直系尊属(父母や祖父母)から18歳以上の子や孫への贈与について、累計で2,500万円まで贈与税が非課税となる制度です。
この制度の適用を受けて贈与した財産については、死亡日前3年以内かどうかに関係なく、相続発生時には必ず相続財産に加算しなければなりません。 また、相続時精算課税制度により贈与を受けた人は、相続発生時に財産を取得しなかった場合でも、死亡日前3年以内の贈与があれば生前贈与加算の対象となります。
生前贈与加算の対象とならない人
法定相続人でも相続や遺贈によって財産を取得しなかった場合には、死亡日前3年以内に贈与を受けていたとしても生前贈与加算の対象とはなりません。
したがって暦年贈与によって財産を取得したとしても、相続放棄によって一切財産を取得しなかった法定相続人のうち、みなし相続財産の受取人や相続時精算課税制度の適用者に該当しない人や孫などは、生前贈与加算の対象から外れます。
生前贈与加算の対象になる贈与
3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。したがって、基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算することになります。
死亡日前3年以内の贈与でも加算されない贈与
贈与税の配偶者控除
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産や居住用不動産を取得するための資金を贈与した場合については、最高で2,000万円が非課税となる制度です。
結婚・子育て資金の一括贈与
直系尊属(父母や祖父母などの)から、18歳以上50歳未満の子や孫に対し、金融機関等との一定の契約に基づいて、結婚や子育て資金として一括贈与を行った場合には、最大1,000万円が非課税となる制度です。
教育資金の一括贈与
直系尊属(父母や祖父母などの)から、30歳未満の子や孫に対し、金融機関等との一定の契約に基づいて、教育資金として一括贈与を行った場合には、最大1,500万円が非課税となる制度です。
住宅取得等資金の贈与
一定の要件を満たす居住用不動産を取得するために、直系尊属(父母や祖父母など)のから購入資金の贈与を受けた場合において、最大で1,000万円が非課税となる制度です。
2023年度の贈与加算に関する重要な税制改正
(注) 2023年度の税制改正より下記項目が改正されました(2024年1月1日からの相続に適用されます。
(改正項目)
1 加算される期間が3年から7年に延長
2 相続開始前4~7年の間に取得した財産から100万円を控除する
スケジュール表
相続日 | 加算対象期間 | ||||||||||
2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 2028 | 2029 | 2030 | 2031 | |
2024 7/1 (令和6年) | 2021.7/1 ➡ 2024.6/30 (3年) | ||||||||||
2025 7/1 (令和7年) | 2022.7/1 ➡ 2025.6/30 (3年) | ||||||||||
2026 7/1 (令和8年) | 2023.7/1 ➡ 2026.6/30 (3年) | ||||||||||
2027 7/1 (令和9年) | 2024.1/1 ➡ 2027.6/30 (3年6か月) | ||||||||||
2028 7/1 (令和10年) | 2024.1/1 ➡ 2028.6/30 (4年6か月) | ||||||||||
2029 7/1 (令和11年) | 2024.1/1 ➡ 2029.6/30 (5年6か月) | ||||||||||
2030 7/1 (令和12年) | 2024.1/1 ➡ 2030.6/30 (6年6か月) | ||||||||||
2031 7/1 (令和13年) | 2024.7/1 ➡ 2031.6/30 (7年) | ||||||||||
注 2031年(令和13年)以降に相続開始した場合はすべて7年となります |
相続税法上の非課税財産
相続税法上の非課税財産
1 皇室経済法第7条の規定ににより皇位とともに皇嗣が受けたもの
皇位とともに皇室に伝わる由緒ある物
2 墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの
墓所、霊びょうとは、墓所、墓石等のほか、尊厳の維持に必要な土地その他、神棚、物体、神具、仏壇、位牌、仏像で日常礼拝の用に供しているものが該当します。
3 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが相続又は遺贈により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの
4 個人立幼稚園等の教育用財産
個人立の一定の幼稚園等を設置し、運営する事業を承継した個人で一定のものは当分の間非課税とされています。
5 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利
6 相続人の取得した相続税法第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額
ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額
7 相続人の取得した相続税法第三条第一項第二号に掲げる給与(以下この号において「退職手当金等」という。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した退職手当金等の金額
ロ イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を超える場合 当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める割合を乗じて算出した金額
租税特別措置法上の非課税財産
1 国等へ相続財産を贈与した場合の非課税
相続により取得した財産を相続税の申告期限までに、国又は地方公共団体等の一定の者に贈与した場合には、租税特別措置法第70条《国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税等》により当該贈与した財産の価額は、相続税の課税価格の計算の基礎に算入しないこととされています。
2 特定公益信託に係る相続税の非課税
相続により取得した財産を相続税の申告期限までに、特定信託会社(その公益信託が、教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められるなど一定のものであること)に贈与した場合には、当該贈与した財産の価額は、相続税の課税価格の計算の基礎に算入しないこととされています。
債務について
1 遺産総額から控除できる債務
⑴被相続人が死亡した時にあった確実な債務
⑵葬式費用
2遺産総額から控除できない債務
被相続人が生前に購入した墓所、お墓の取得代金の未払金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。
3債務や葬式費用を遺産総額から控除できる人
1 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人(一時居住者でつ、被相続人が一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)
2 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がない人で、次のいずれかに当てはまる人
イ 日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがある人
ロ 日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が、一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)
ハ 日本国籍を有していない人(被相続人が、一時居住被相続人、非居住被相続人または非居住外国人である場合を除きます。)
4 遺産総額から控除できる債務の具体例
①所得税、固定資産税等
➁被相続人の責による利子税、延滞税
➂債務保証で主たる債務者が弁済不能で、かつ、主たる債務者に求償しても返還の見込みがない場合 → (主たる債務者が弁済不能の部分)
➃連帯債務で連帯債務者のうち弁済不能者があり、かつ、弁済不能者の負担部分も負担しなければならないと認められる場合 → (被相続人が負担すべき部分+負担しなければならないと認められる部分の金額)
⑤葬式費用に含まれる次の費用
イ 通夜、仮葬式、本葬式費用 |
ロ 葬式に伴うお布施、戒名料 |
ハ 葬式に伴うタクシ-代 |
ニ 遺体運搬費用 |
次の費用は葬式費用に含まれませんのでご注意ください
イ 香典払戻費用 |
ロ 墓碑及び墓地の購入費並びに墓地の借入料 |
ハ 初七日、四十九日などの法会、法要に要す費用 |
ニ 永代供養料 |
非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例等(法人版事業承継税制)
概 略
法人の後継者である受贈者が、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(「円滑法」といいます。)の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税の納付が免除される制度です。(「法人版事業承継税制」といいます。) この制度には、租税特別措置法第70条の7の5の規定による措置(「特例措置」といいます。)と同法第70条の7の規定による措置(「一般措置」といいます。)の2つの制度があり、特例措置については、平成30年1月1日から令和9年12月31日までの10年間の制度とされています。
個人を含めた事業承継税制の概要
項目 | 法人 | 個人事業主 | ||
一般事業承継税制 | 特例事業承継税制 | 特例事業承継税制 | ||
概略 | 中小企業の後継者が非上場株式等を先代経営者から贈与又は相続等により取得した場合、その贈与又は相続等により取得した株式等に係る贈与税又は相続税の一定額を一定の期間まで猶予又は免除する制度 | 一定の個人事業主の後継者がその者の事業に係る一定の事業用財産を先代経営者から贈与又は相続等により取得した場合、その贈与又は相続等により取得した財産に係る贈与税又は相続税の一定額を一定の期間まで猶予又は免除する制度 | ||
---|---|---|---|---|
事業承継計画 | 不要 | 事業承継計画を認定経営革新等支援機関の所見を記載のうえ令和6年(2024年)3月31日まで(令和4年度改正により1年延長された)に都道府県知事に提出し確認を受けること | ||
認定要件 | 経営承継円滑化法に基づき後継者要件、先代事業者要件等を満たしていること等を記載した認定申請書を贈与年の10月15日から翌年1月15日までに、相続の場合は相続開始後8カ月以内に都道府県知事に申請し認定を受けること(期限内申告要件有り) | |||
適用期限 | なし | 平成30年1月1日から 令和9年(2027年)12月31日まで | 平成31年1月1日から 令和10年(2028年)12月31日まで | |
会社要件 | 中小企業であること (資本金・従業員数・業種制限・事業実態等の要件) | |||
先代経営者要件 (贈与者又は被相続人の要件) | 1.贈与者又は被相続人が法人の代表者であったこと 2.相続開始又は贈与の直前において現経営者と現経営者の親族などで、総議決権数の過半数を保有し且つこれらの中で贈与者又は被相続人が筆頭株主であったこと | 55万円又は65万円控除適用青色申告者であること等一定の要件がある | ||
後継者要件 (受贈者又は相続人 の要件) | 贈与時又は相続開始時において後継者と後継者の親族などで、総議決権数の過半数を保有し且つこれらの中で筆頭株主であること <贈与税> 贈与時に18歳以上であること 贈与の直前において3年以上役員であり且つ贈与時において代表者であること <相続税> 相続開始直前において役員であり、相続開始から5カ月以内に代表者であること | 1.贈与税の場合は、贈与時に18歳以上であること、贈与の日まで引き続き3年以上にわたり特定事業用資産に係る事業に従事していたこと 2.相続税の場合は、相続開始の直前において特定事業用資産に係る事業等に従事していたこと 3.贈与税・相続税の申告期限において青色申告の承認を受けていること 等々一定の要件がある | ||
対象株数限度等 | 総株式の最大3分の2 | 全株式 | 事業の用に供されていた 宅地・建物・一定の減価償却資産等 | |
納税猶予割合 | 贈与税100% 相続税80% | 贈与税・相続税 100% | 贈与税・相続税 100% | |
承継パターン | 複数株主から後継者1名 | 複数株主から最大後継者3名 | ||
適用確保要件 | 承継後5年間贈与日等の雇用人数の平均雇用8割の雇用維持 | 8割要件の適用弾力化 (事実上撤廃) | ||
経営環境変化による免除 | 適用なし (事業継続困難事由免除なし) | 適用あり (事業継続困難事由免除あり) | 適用あり (事業継続困難事由免除あり) | |
相続時精算課税 | 60歳以上の者から18歳以上の推定相続人・孫への贈与 | 60歳以上の者から18歳以上の者への贈与 | ||
報告義務 | 13年間毎に提出する | 税務署長へ「継続届出書」を3年ごとに提出する |
(日本税理士会連合会HPより)
(注意事項)
内容 | |
注1 | 議決権に制限のない株式等に限ります。 |
注2 | 雇用確保要件を満たさなかった場合には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第20条第3項に基づき、要件を満たさなかった理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。 |
注3 | 「18歳」とあるのは、令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」となります。 |