法人 寄附金
寄附金
寄附金の意義
原則的な寄附金
寄附金の額とは、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、金銭その他の資産の贈与又は経済的な利益の無償の供与をした場合の、金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は経済的な利益のその供与の時の価額をいう。 ただし、広告宣伝費等、交際費、接待費及び福利厚生費とされるものは、寄附金に該当しない。
内 容 | 勘定科目 |
社会事業団体、政治団体に対する寄附、神社の祭礼等の寄贈金は原則として寄附金になります | 寄附金 |
カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や次のような不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用 ⑴ 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用または一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用 ⑵ 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用 ⑶ 製造業者や販売業者が、一定の商品を購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品を購入した一般消費者を招待するための費用 ⑷ 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用 ⑸ 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用 ⑹ 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用 ⑺ 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用 | 広告宣伝費 |
協賛金⑴ 不特定多数の人に宣伝の効果がある場合 | 広告宣伝費 |
協賛金⑵ 宣伝の効果がないが、今後も継続して取引を行うことを目的に協賛金を支払う場合 | 交際費 |
協賛金⑶ 事業との関連性がなく宣伝効果も期待できない場合 | 寄附金 |
従業員に対する社会通念上相当と認められる慶弔費 | 福利厚生費 |
特例的な認定寄附金
資産の譲渡(土地信託の信託財産の構成物の譲渡を含む。)又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が資産の譲渡時の価額又はその経済的な利益のその供与時の価額に比して低いときは、その対価とその価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、寄附金となる。(資産の低額譲渡、無利息又は低金利による貸付等)
寄付金に該当しない場合
区 分 | 寄付金以外の経費 |
町内会の会費 | 一般の経費 |
役員等が個人として負担すべきもの | その役員等に対する給与 |
子会社等を整理する場合の損失金等 | 子会社等の解散に伴い債権放棄、債務の引き受け等をした場合で相当の理由がある場合 一般の経費 |
子会社等に対する無利息貸付等 | 子会社等の倒産を防止し、再建させるために無利息又は低利の貸付等で相当の理由がある場合 一般の経費 |
子会社等とは
その法人と資本関係を有する者のほか、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関連性を有する者も含む
子会社等を整理する場合の相当の理由
損失の負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることが社会通念上明らかであるとみとめられる場合等
寄附金の損金算入額
法人が支払った寄附金はその支払先によって損金算入金額が下記の様に取り扱われます。
国等に対する寄附金及び指定寄附金
国や地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その支払金額が全額損金に算入されます。
指定寄附金とは
公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額
イ 広く一般に募集されること。
ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。
(具体的には次のようなもの)
日本赤十字社に対する寄附で一定のもの、国立大学法人及び公立大学法人に対する寄附金、各都道府県共同募金会が行う赤い羽根募金等の寄附金
特定公益増進法人等に対する寄附金
特定公益増進法人に対する寄附金、特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭及び認定NPO法人等の非営利活動に係る寄附金の合計額と次の特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額が損金に算入されます。
〔特別損金算入限度額〕
〔資本金等の額 ×当期の月数/12×3.75/1000 + 所得の金額×6.25/100〕 × 1/2 資本金等の額とは、資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額をいいます。 所得の金額とは、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。 (注) 特定公益増進法人等に対する寄附金のうち損金に算入されなかった金額は、下記の一般の寄附金の額に含めます。 |
特定公益増進法人とは
公共法人、公益法人等(一般社団法人および一般財団法人を除きます。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する次のような法人をいいます。
番号 | 法 人 名 |
1 | 独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人 |
2 | 地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人で一定のもの |
3 | 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校復興・共済事業団および日本赤十字社 |
4 | 公益社団法人および公益財団法人 |
5 | 私立学校法第3条に規定する学校法人で一定のもの |
6 | 社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人 |
7 | 更生保護事業法第2条第6項に規定する更生保護法人 |
上記以外の寄附金(一般の寄附金)
上記に該当しない寄附金は、下記の損金算入限度額までが損金に算入されます。
〔損金算入限度額〕
〔資本金等の額 ×当期の月数/12×2.5/1000 + 所得の金額×2.5/100〕×1/4 資本金等の額とは、資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額をいいます。 所得の金額とは、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。 |
設 例
区 分 | 内 容 |
条 件 | 資本金等の額1,000万円、所得の金額1,000万円、1年決算法人の場合の損金算入限度額 |
計 算 | 〔1,000万円×12/12×2.5/1000+1000万円×2.5/100 〕×1/4=〔6.875万円〕 |
損金算入の手続
法人が寄附金を損金に算入する場合には、確定申告書にその金額を記載し、寄附金の明細書など所定の書類を添付するとともに、所定の書類を保存している必要があります。