医業 法人税の計算

Table of Contents

医療法人の法人税等の計算

法人税法における法人種類別の課税対象

法人の種類(下記の区分、所得金額に応じて税率が変わります)医療法人の種類    課税対象
1普通法人一般の医療法人所得
2協同組合等所得
3公益法人等 ⑴公益社団法人、公益財団法人、又は非営利型法人 ⑵公益法人等とみなされるもの ⑶上記以外の公益法人社会医療法人収益事業(*注)から生じた所得
4人格のない社団等収益事業(*注)から生じた所得
5特定医療法人特定医療法人所得

一般の医療法人

 社会医療法人及び特定医療法人以外の医療法人 

社会医療法人

 医療法の所定の要件を満たし、都道府県知事の認定を受けた医療法人 

特定医療法人

 その事業が医療の普及や向上などに大きく寄与し、かつ公的に運営されているものとしての要件を満たしたもので国税庁長官の承認を受けたもの 

収益事業とは

 収益事業とは詳しくは法人税法施行令第5条において34業種が規定されていますのでご確認下さい。 要約しますと、物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業、労働者派遣業です。 医療法人が行う医療保健業は、収益事業に該当します。

 しかし、法人税法施行令第5 条①二十九チの規定により社会医療法人が行う医療保健業は、収益事業の範囲から除外されていますので、医療保健業以外の収益事業(附帯業務等)に課税されます。

参照条文

法人税法施行令第5 条①二十九 医療保健業(財務省令で定める血液事業を含む。以下この号において同じ。)のうち次に掲げるもの以外のもの 法令 5 ①二十九チ 医療法(昭和23年法律第205号)第42条の2第1項(社会医療法人)に規定する社会医療法人が行う医療保健業(同法第42条(附帯業務)の規定に基づき同条各号に掲げる業務として行うもの及び同項の規定に基づき同項に規定する収益業務として行うものを除く。)

所得金額

所得金額 = 各事業年度の益金の額 - 損金の額

(益金の意義)

別段の定めがあるものを除き、資産の販売、役務の提供等その他の取引で資本取引以外のものに係る収益の額

(損金の意義)

別段のあるものを除き、次の金額 

1 売上原価、完成工事原価等原価の額 

2 販売費および一般管理費(その事業年度期末までに債務の確定しているもの)

 3 資本取引以外の損失の額

 (販売費および一般管理費のうち、主なもの)

1 租税公課

税目による損金算入、不算入の区分

法人税の所得の計算上租税公課等に損金経理しても損金が認められる税金等と損金が認められない税金等があり、それぞれ次の様に区分されます

処理方法
処理区分税  目
損金不算入の税金等①法人税の本税、延滞税及び加算税
➁住民税(県民税、市民税)の本税、延滞金及び加算金
➂事業税の延滞金及び加算金
➃源泉所得税の不納付加算税及び延滞税
⑤その他税金の延滞税及び延滞金
⑥印紙税の過怠税
⑦罰金、過料、科料
⑧交通反則金
➈法人税等充当額
損金算入の税金等①法人税の利子税
➁住民税の納期延長に係る延滞金
➂事業税の本税
➃事業税の納期延長に係る延滞金
⑤印紙税の本税
⑥固定資産税
⑦都市計画税
⑧自動車税、軽自動車税
➈不動産取得税
⑩登録免許税
⑪事業に係る事業所税他
⑫労働保険、社会保険の延滞金
損金算入時期
申告納税方式の税金

申告書が提出された日の属する事業年度

賦課課税方式の税金

賦課決定のあった日の属する事業年度

2 交 際 費

交際費の意義

交際費とは交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先、従業員等、事業に関係ある者に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為の為に支出するものをいうのであるが、主として次に掲げるような性質を有するものは交際費に含まれないものとする。 又接待飲食費とは交際費のうち飲食その他に類する行為のため要する費用で一定のものをいうが、そのうち一人当たり5,000円以下のものは交際費に含まれない

交際費に含まれないもの

①寄付金 
➁値引き及び割り戻し
➂広告宣伝費
➃福利厚生費 
⑤給与等

具体的な交際費の判定

①交際費に該当するもの
内  容
売り上げ割り戻し等と同一基準により得意先に対して行う旅行、観劇等に招待する費用
売り上げ割り戻し等と同一基準により得意先に対する物品(3,000円超のもの)の贈与
正当な対価でない情報提供料等
得意先、仕入先等の者に対する慶弔費用
記念式典等の費用で、得意先、仕入先等にかかる式典費用、宴会費用、交通費、記念品代
得意先等の従業員に対する謝礼
法人会員の場合のゴルフクラブの年会費及び事業遂行上必要なプレ-費、年決めロッカ-料等
➁交際費に該当しないもの
内  容
得意先に対する少額物品(3,000円以下のもの)の贈与
会議に際し社内又は通常会議を行う場所で昼食の程度を超えない飲食等のために通常要する費用(来客との商談、打ち合わせを含む)
不特定多数のものに対する広告宣伝を意図するものの費用
通常要する社葬費
記念式典等の費用で従業員に一律に供した飲食等の費用
記念式典等の費用で式典の祭事の為に通常要する費用
従業員等(元従業員等を含む)又はその家族に対する慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用
新製品等の展示会等に得意先を招待する費用
得意先等に工場などの施設を見学させるための費用
10渡切の交際費は従業員に対する分は給与に該当し、役員に対する分は毎月定期的なものは定期同額給与、そうでない場合は定期同額給与に該当しない給与となる
11事業に直接関係のない者(近所の神社、寺等)に対する金銭、物品等の贈与は寄付金になる
12交際費のうち飲食その他に類する行為のため要する費用で人当たり5,000円以下のもの

交際費等の損金不算入額

①期末資本金の額が1億円以下の法人

各事業年度における交際費等のうち定額控除限度額又は接待飲食費の額の50%相当額を超える金額は損金に算入しない

定額控除限度額 = 800万円 × 事業年度の月数 ÷ 12
➁期末資本金の額が1億円超100億円以下の法人

各事業年度における交際費等のうち接待飲食費の額の50%相当額を超える金額は損金に算入しない

➂期末資本金の額が100億を超える法人

交際費全額が損金不算入

資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人等の損金不算入は➁によります

3 寄附金

寄附金の意義

原則的な寄附金

寄附金の額とは、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、金銭その他の資産の贈与又は経済的な利益の無償の供与をした場合の、金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は経済的な利益のその供与の時の価額をいう。 ただし、広告宣伝費等、交際費、接待費及び福利厚生費とされるものは、寄附金に該当しない。

内    容勘定科目                                
社会事業団体、政治団体に対する寄附、神社の祭礼等の寄贈金は原則として寄附金になります寄附金
カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や次のような不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用 ⑴ 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用または一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用 ⑵ 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用 ⑶ 製造業者や販売業者が、一定の商品を購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品を購入した一般消費者を招待するための費用 ⑷ 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用 ⑸ 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用 ⑹ 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用 ⑺ 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用広告宣伝費
協賛金⑴  不特定多数の人に宣伝の効果がある場合広告宣伝費
協賛金⑵  宣伝の効果がないが、今後も継続して取引を行うことを目的に協賛金を支払う場合交際費
協賛金⑶  事業との関連性がなく宣伝効果も期待できない場合寄附金
従業員に対する社会通念上相当と認められる慶弔費福利厚生費

特例的な認定寄附金

資産の譲渡(土地信託の信託財産の構成物の譲渡を含む。)又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が資産の譲渡時の価額又はその経済的な利益のその供与時の価額に比して低いときは、その対価とその価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、寄附金となる。(資産の低額譲渡、無利息又は低金利による貸付等)

寄付金に該当しない場合

⑴ 町内会の会費

一般の経費

⑵ 役員等が個人として負担すべきもの

  その役員等に対する給与 

⑶ 子会社等を整理する場合の損失金等

  子会社等の解散に伴い債権放棄、債務の引き受け等をした場合で相当の理由がある場合 

⑷ 子会社等に対する無利息貸付等 

 子会社等の倒産を防止し、再建させるために無利息又は低利の貸付等で相当の理由がある場合 

子会社等とは

 その法人と資本関係を有する者のほか、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関連性を有する者も含む 

子会社等を整理する場合の相当の理由

 損失の負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることが社会通念上明らかであるとみとめられる場合等

寄附金の損金算入額

法人が支払った寄附金はその支払先によって損金算入金額が下記の様に取り扱われます。

国等に対する寄附金及び指定寄附金

地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その支払金額が全額損金に算入されます。

 指定寄附金とは

 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額 

 広く一般に募集されること。
 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。
具体的には次のようなもの 

日本赤十字社に対する寄附で一定のもの

国立大学法人及び公立大学法人に対する寄附金

各都道府県共同募金会が行う赤い羽根募金等の寄附金

特定公益増進法人等に対する寄附金

特定公益増進法人に対する寄附金、特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭及び認定NPO法人等の非営利活動に係る寄附金の合計額と次の特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額が損金に算入されます。

〔特別損金算入限度額〕=〔資本金等の額 ×当期の月数/12×3.75/1000 + 所得の金額×6.25/100〕 × 1/2 
資本金等の額

資本金等の額とは、資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額をいいます。

所得の金額

 所得の金額とは、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。

 (注) 特定公益増進法人等に対する寄附金のうち損金に算入されなかった金額は、下記の一般の寄附金の額に含めます。

特定公益増進法人

 特定公益増進法人とは(国税庁HPより) 公共法人、公益法人等(一般社団法人および一般財団法人を除きます。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する次のような法人をいいます。 

(1) 独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人 

(2) 地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人で一定のもの 

(3) 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校復興・共済事業団および日本赤十字社 

(4) 公益社団法人および公益財団法人 

(5) 私立学校法第3条に規定する学校法人で一定のもの 

(6) 社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人 

(7) 更生保護事業法第2条第6項に規定する更生保護法人

上記以外の寄附金(一般の寄附金)

上記に該当しない寄附金は、下記の損金算入限度額までが損金に算入されます。

〔損金算入限度額〕 〔資本金等の額 ×当期の月数/12×2.5/1000 + 所得の金額×2.5/100〕×1/4 
資本金等の額

資本金等の額とは、資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額をいいます。

所得の金額

 所得の金額とは、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。

設例
資本金等の額1,000万円、所得の金額1,000万円、1年決算法人の場合の損金算入限度額
〔1,000万円×12/12×2.5/1000+1000万円×2.5/100 〕×1/4=〔6.875万円〕

損金算入の手続

法人が寄附金を損金に算入する場合には、確定申告書にその金額を記載し、寄附金の明細書など所定の書類を添付するとともに、所定の書類を保存している必要があります。

4 修繕費

資本的支出に該当する支出(修繕費に該当しないもの)

法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(昭55年直法2-8「二十六」により追加)

(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額

(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。 (法人税基本通達7-8-1)

修繕費に含まれる費用

 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となるのであるが、次に掲げるような金額は、修繕費に該当する。(昭55年直法2-8「二十六」、平7年課法2-7「五」により改正)

(1) 建物の移えい又は解体移築をした場合(移えい又は解体移築を予定して取得した建物についてした場合を除く。)におけるその移えい又は移築に要した費用の額。ただし、解体移築にあっては、旧資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建物と同一の規模及び構造の建物を再建築するものに限る。
(2) 機械装置の移設(7-3-12《集中生産を行う等のための機械装置の移設費》の本文の適用のある移設を除く。)に要した費用(解体費を含む。)の額
(3) 地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用の額。ただし、次に掲げる場合のその地盛りに要した費用の額を除く。
イ 土地の取得後直ちに地盛りを行った場合
ロ 土地の利用目的の変更その他土地の効用を著しく増加するための地盛りを行った場合
ハ 地盤沈下により評価損を計上した土地について地盛りを行った場合
(4) 建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上げ又は移設に要した費用の額。ただし、その床上工事等が従来の床面の構造、材質等を改良するものである等明らかに改良工事であると認められる場合のその改良部分に対応する金額を除く。
(5) 現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額及び砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用の額 (基法人税本通達7-8-2)

少額又は周期の短い費用の損金算入

一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等(以下7-8-5までにおいて「一の修理、改良等」という。)が次のいずれかに該当する場合には、その修理、改良等のために要した費用の額については、7-8-1にかかわらず、修繕費として損金経理をすることができるものとする。(昭55年直法2-8「二十六」により追加、平元年直法2-7「五」、平15年課法2-7「二十」により改正)

(1) その一の修理、改良等のために要した費用の額(その一の修理、改良等が2以上の事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)にわたって行われるときは、各事業年度ごとに要した金額。以下7-8-5までにおいて同じ。)が20万円に満たない場合
(2) その修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合

(注) 本文の「同一の固定資産」は、一の設備が2以上の資産によって構成されている場合には当該一の設備を構成する個々の資産とし、送配管、送配電線、伝導装置等のように一定規模でなければその機能を発揮できないものについては、その最小規模として合理的に区分した区分ごととする。以下7-8-5までにおいて同じ。 (法人税基本通達7-8-3)

形式基準による修繕費の判定

一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。(昭55年直法2-8「二十六」により追加、平元年直法2-7「五」、平19年課法2-7「八」により改正)

(1) その金額が60万円に満たない場合
(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

(注) 1 前事業年度前の各事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)において、令第55条第4項《資本的支出の取得価額の特例》の規定の適用を受けた場合における当該固定資産の取得価額とは、同項に規定する一の減価償却資産の取得価額をいうのではなく、同項に規定する旧減価償却資産の取得価額と追加償却資産の取得価額との合計額をいうことに留意する。

 2 固定資産には、当該固定資産についてした資本的支出が含まれるのであるから、当該資本的支出が同条第5項の規定の適用を受けた場合であっても、当該固定資産に係る追加償却資産の取得価額は当該固定資産の取得価額に含まれることに留意する。 (法人税基本通達7-8-4)

資本的支出と修繕費の区分の特例

一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額(7-8-3又は7-8-4の適用を受けるものを除く。)がある場合において、法人が、継続してその金額の30%相当額とその修理、改良等をした固定資産の前期末における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「二十六」により追加、平7年課法2-7「五」、平19年課法2-7「八」により改正) (注) 当該固定資産の前期末における取得価額については、7-8-4の(2)の(注)による。 (法人税基本通達7-8-5)

災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例

災害により被害を受けた固定資産(当該被害に基づき法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定による評価損を計上したものを除く。以下7-8-6において「被災資産」という。)について支出した次に掲げる費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、7-8-1から7-8-5までの取扱いにかかわらず、それぞれ次による。(昭55年直法2-8「二十六」、平7年課法2-7「五」により改正)

(1) 被災資産につきその原状を回復するために支出した費用は、修繕費に該当する。
(2) 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、法人が、修繕費とする経理をしているときは、これを認める。
(3) 被災資産について支出した費用(上記(1)又は(2)に該当する費用を除く。)の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものがある場合において、法人が、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める。

(注) 1 法人が、被災資産の復旧に代えて資産の取得をし、又は特別の施設(被災資産の被災前の効用を維持するためのものを除く。)を設置する場合の当該資産又は特別の施設は新たな資産の取得に該当し、その取得のために支出した金額は、これらの資産の取得価額に含めることに留意する。

 2 上記の固定資産に係る災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例は、令第114条《固定資産に準ずる繰延資産》に規定する繰延資産に係る他の者の有する固定資産につき、災害により損壊等の被害があった場合について準用する。 (法人税基本通達7-8-6)

ソフトウエアに係る資本的支出と修繕費

法人が、その有するソフトウエアにつきプログラムの修正等を行った場合において、当該修正等が、プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときはその修正等に要した費用は修繕費に該当し、新たな機能の追加、機能の向上等に該当するときはその修正等に要した費用は資本的支出に該当することに留意する。(平12年課法2-19「十」により追加、令3年課法2-21「八」により改正)

(注)1

 既に有しているソフトウエア又は購入したパッケージソフトウエア等の仕様を大幅に変更するための費用のうち、7-3-15の2(注)2《自己の製作に係るソフトウエアの取得価額等》により取得価額になったもの(7-3-15の3《ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用》により取得価額に算入しないこととしたものを含む。)以外のものは、資本的支出に該当することに留意する。

(注2)

 本文の修正等に要した費用(修繕費に該当するものを除く。)又は上記(注)1の費用が研究開発費(自社利用のソフトウエアについてした支出に係る研究開発費については、その自社利用のソフトウエアの利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかな場合における当該研究開発費に限る。)に該当する場合には、資本的支出に該当しないこととすることができる。 (法人税基本通達7-8-6の2)

機能復旧補償金による固定資産の取得又は改良

法人が、その有する固定資産について電波障害、日照妨害、風害、騒音等による機能の低下があったことによりその原因者からその機能を復旧するための補償金の交付を受けた場合において、当該補償金をもってその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をしたときは、その取得又は改良に充てた補償金の額のうちその機能復旧のために支出したと認められる部分の金額に相当する金額は、修繕費等として損金の額に算入することができる。

当該補償金の交付に代えて、その原因者から機能復旧のための固定資産の交付を受け、又は当該原因者が当該固定資産の改良を行った場合についても、同様とする。(昭55年直法2-8「二十六」により追加) 

(注)

 当該補償金の交付を受けた日の属する事業年度終了の時までにその機能復旧のための固定資産の取得又は改良をすることができなかった場合においても、その後速やかにその取得又は改良をすることが確実であると認められるときは、当該補償金の額のうちその取得又は改良に充てることが確実と認められる部分の金額に限り、その取得又は改良をする時まで仮受金として経理することができる。 (法人税基本通達7-8-7)

地盤沈下による防潮堤、防波堤等の積上げ

法人が地盤沈下に起因して防潮堤、防波堤、防水堤等の積上げ工事を行った場合において、数年内に再び積上げ工事を行わなければならないものであると認められるときは、その積上げ工事に要した費用を一の減価償却資産として償却することができる。(昭55年直法2-8「二十六」により改正) (法人税基本通達7-8-8)

耐用年数を経過した資産についてした修理、改良等

耐用年数を経過した減価償却資産について修理、改良等をした場合であっても、その修理、改良等のために支出した費用の額に係る資本的支出と修繕費の区分については、一般の例によりその判定を行うことに留意する。(昭55年直法2-8「二十六」により追加) (法人税基本通達7-8-9)

損壊した賃借資産等に係る補修費

法人が賃借資産(賃借をしている土地、建物、機械装置等をいう。)につき修繕等の補修義務がない場合においても、当該賃借資産が災害により被害を受けたため、当該法人が、当該賃借資産の原状回復のための補修を行い、その補修のために要した費用を修繕費として経理したときは、これを認める。 法人が、修繕等の補修義務がない販売をした又は賃貸をしている資産につき補修のための費用を支出した場合においても、同様とする。(平29年課法2-2「二」により追加)

 (注)

1 この取扱いにより修繕費として取り扱う費用は、12-2-6《災害損失特別勘定の設定》の災害損失特別勘定への繰入れの対象とはならないことに留意する。

2 当該法人が、その修繕費として経理した金額に相当する金額につき賃貸人等から支払を受けた場合には、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する。

3 法人が賃借している法第64条の2第1項《リース取引に係る所得の金額の計算》に規定するリース資産が災害により被害を受けたため、契約に基づき支払うこととなる規定損害金(免除される金額及び災害のあった日の属する事業年度において支払った金額を除く。)については、災害のあった日の属する事業年度において、未払金として計上することができることに留意する。

(法人税基本通達7-8-10)

資本的支出と修繕費の区分

判定基準表

判定基準資本的支出修繕費
支出金額が10万円未満
3年周期の支出
明らかに資本的支出
30万円未満
取得価格の10%以下
割合区分による方法支出金額 - 修繕費①支出金額の30% ➁取得金額の10% ①と➁の少ない金額
実質により判定資本的支出の場合資本的支出でない場合

減価償却費

概 要

事業などの業務のために用いられる建物等の資産は、時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産(土地、美術品等は時の経過等によってその価値が減っていきませんので除かれます)といいます。 減価償却資産の取得費は、取得した時に全額経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり、その資産の種類、用途に応じた耐用年数に基づき計算した償却限度額の範囲内で損金算入していくべきものです。

減価償却資産の判定

1 使用可能期間が1年未満のものまたは取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の経費とします。
2 取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部または特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において経費に算入することができます。
3 一定の要件を満たす青色申告法人が、取得した取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産(上記2の適用を受けるものを除きます。)については、一定の要件の下でその取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の経費に算入できるという特例があります。
4 取得価額の判定に際し、消費税の額を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。すなわち、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。なお、免税事業者の経理方式は税込経理になります。

償却方法

1 定額法

償却限度額  = 取得価額  ×  定額法の償却率

2 定率法
  ⑴原則

償却限度額  = 未償却残高  ×  定率法の償却率

  ⑵償却額が償却保証額を下回った年以降の事業年度

償却限度額  = 改定取得価額 ×  改定償却率 

償却保証額   取得価額に、耐用年数に応じた保証率を乗じた金額

  *改定取得価額 償却額が初めて償却保証額に満たなくなる年の期首未償却残高 

*改定償却率  償却額が償却保証額に満たなくなる年以降に使用する当該資産の耐用年数に応じた償却率

中古資産の耐用年数
1 見積もり可能     見積もり耐用年数
2 見積もり不可能   簡便法等

⑴簡便法

 ①耐用年数の一部を経過している場合 (法定耐用年数 – 経過年数) + 経過年数 × 20%

 ➁耐用年部の全部を経過している場合 法定耐用年数 × 20% *端数処理

 (1年未満の端数は切り捨て、 2年未満の場合は2年 )

⑵例外

 法定耐用年数

減価償却の特例

特別償却
医療用機器等の特別償却制度

一定の要件を満たす場合に普通償却に加え特別償却額を加算した金額で償却することが認められています。

 (対象になる医療用機器等)

内容対象資産特別償却額
高度な医療用機器500万円以上の特定医療機器取得価額 × 12%
医師及び医療従事者の働き方 改革推進医療勤務環境改善支援センタ-の助言による 30万円以上の器具・備品・ソフトウエア-取得価額 × 15%
地域医療構想の実現病院用等の建物及びその付属設備取得価額 × 8%

注意事項

注1(2023年3月31日までの取得したものが対象)
注2医療機器は機械及び装置には該当せず、中小企業者等に適用される機械及び装置の特別償却は適用されません
注3器具備品に適用される事務処理の能率化等に資するものに該当する場合のみ特別償却が適用されます。
会計検査院の判断                              会計検査院の判断 医療機器は適用対象となる「機械及び装置」ではなく、「器具及び備品」に区分されるのに、誤って「機械及び装置」と記載したり、医療機器を適用対象となる事務処理の能率化等に資する電子計算機等に該当するとして「器具及び備品」と記載していたりしている誤りがある。 血管造影X線診断装置及び超音波診断装置は医療機器であり、省令によれば、その種類は「器具及び備品」であるものの、規則で定める事務処理の能率化等に資するものに該当しないことから上記の規定は適用できないものであった(会計検査院のHP)
1 中小企業投資促進税制による特別償却 (医療法人には適用されません)

説明を省略いたします

2機械装置等が特定経営力向上設備等に該当する場合の特別償却 (医療法人には適用されません)

説明を省略したします

 詳しくは国税庁へ
その他各種特例計算

A 年の途中に取得した資産の償却費は月数按分

 B 償却は任意償却

 C 遊休資産は事業の用に供するため維持補修がされていて、いつでも稼働できる状態にある場合は減価償却をすることが出来ます 

D リ-ス料は契約の種類により下記の様に区分されています

区分詳細企業の区分処理方法
所有権移転ファイナンスリ-スリ-ス期間中にキャンセルが出来なくて、資産に関して発生する費用は自己負担で期間終了時に所有権が移転する契約リース料の総額を取得価格額に算入し法定耐用年数の期間で償却する
所有権移転外ファイナンスリ-スリ-ス期間中にキャンセルが出来なく、資産に関して発生する費用は自己負担で期間終了時に所有権が移転しない契約中小企業以外リース料の総額を取得価格額に算入しリース期間定額法で償却する
中小企業一定の条件のもと例外的に支払時に損金に算入することが出来る
オペレ-ティングリ-ス途中でキャンセルが出来る契約リ-ス料を支払時に損金に算入する

税額の計算

所得金額 × 税率  - 税額控除

税 率

法人の種類別の税率

法人の種類詳細所得金額が800万円以下の部分所得金額が800万円超の部分
普通法人等① 資本金1億円以下の法人15%23.2%
② 資本金1億円超の法人と相互会社23.2%
協同組合等15%19%
公益法人等① 公益社団法人、公益財団法人及び非営利型法人15%23.2%
② その他の公益法人15%19%
人格のない社団等15%23.2%
特定の医療法人① ②以外15%19%
② 適用除外事業者19%19%
(長野県安曇野市 早春賦の碑)

医療法人の事業税について

事業税の所得についての概要

医療法人等の法人事業税ついては、一般法人と所得の計算方法が異なっており、地方税法第72条の23のにより社会保険診療報酬に係る所得は非課税となり、また計算方法もそれぞれの地域により異なっておりますので注意が必要です。

原則

[内国法人の所得は、各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額によるものとし、この法律(地方税法第第七十二条の二十三)又は政令で特別の定めをする場合を除くほか、当該各事業年度の法人税の課税標準である所得の計算の例により算定する]となっております。 ただし[医療法人等は地方税法第第七十二条の二十三の規定により、社会保険診療につき支払を受けた金額は、益金の額に算入せず、また、当該社会保険診療に係る経費は、損金の額に算入しない]と規定されております。

特例

実務上、経費を社会保険診療に係る経費とそれ以外の経費に区分することが困難なために具体的な計算方法はそれぞれの都道府県により、次のように分かれて計算されています。

所得配分方式

  所得配分方式 (医業所得を社会保険診療報酬とその他の収入の割合で按分する方法*多数の都道府県で採用されています)

課税所得 = 総医業所得 × その他の収入金額 / (社会保険診療報酬に係る医療収入+その他の収入金額)
経費配分方式

 経費配分方式(一部の都道府県で採用されています)

課税所得 = 総医業所得-社会保険診療報酬に係る所得 (社会保険診療報酬に係る所得) 社会保険診療報酬に係る医療収入-社会保険診療報酬に係る経費 (社会保険診療報酬に係る経費) 社会保険診療報酬に係る専属経費+共通経費×(社会保険診療報酬に係る医療収入)/(社会保険診療報酬に係る医療収入+その他の収入金額) 

注1 この他に共通費を医療直接費とその他の経費に区分して計算する方法を採用している都道府県もありますのでご確認願います。

 (社会保険診療報酬) 

社会保険診療報酬とは、次の法律の規定に基づく療養等の給付又は医療、介護、助産若しくはサ-ビスに限られます。

法 律 の 種 類
 1 健康保険法
 2 国民健康保険法
 3 高齢者の医療の確保に関する法律
 4 船員保険法
 5 国家公務員等共済組合法(防衛庁職員給与法を含む)
 6 地方公務員等共済組合法
 7 私立学校教職員共済組合法
 8 戦傷者特別援護法
 9 母子保健法
10 児童福祉法
11 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
12 生活保護法
13 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律
14 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
15 麻薬及び向精神薬取締法
16 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
17 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療お及び観察等に関する法律
18 介護保険法
19 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
20 難病の患者に対する医療等に関する法律

(その他の収入) 

細かく規定されていますが大きな項目は下記の様な収入です。(医療法人等に係る所得金額の計算書参照)

項目内容
労働者災害補償保険法
介護保険法地方税法第72条の23に規定する社会保険診療報酬以外の収入
自動車損害賠償責任保険及び損害保険等の保険金に相当する部分の金額により医療費等として支払いを受ける金額
自費診療収入
入院料、ベッド代差額収入
入院料、予防注射等
その他の医療収入
事務取扱手数料等
患者等の食事収入
健康診断等証明収入
受託技工、検査料等収入
電話、電気、ガス、テレビ、寝具等使用料収入
生産品等販売、不用品売却収入
その他の付随収入

(医療保険業の収入金額にも算入されない収入)

項目
各種引当金の戻し入れ及び準備金の取り崩しによる益金算入額
土地等の譲渡に係る益金算入額
従業員の社宅等の使用料及び従業員の食事代収入
収入に計上した国税及び地方税に係る還付金又は充当金若しくは過誤納金で、還付加算金を除いた額
償却資産の売却収入(売却時の帳簿価額を超えない金額に限ります。)等経費の戻入と認められる収入金額
購入棚卸資産に係る仕入割り戻し(リベ-ト)の額として収入に計上した額

事業税の税率

医療法人等は法人税法では一般法人ですが、事業税においては特別法人に該当していて下記のような二段階の低い標準税率が適用されています。 ただし都道府県によって異なる税率を定めることが出来ることになっていますので、申告時には実際に確認する必要があります。

区分税率
課税所得年400万円以下5.0%
課税所得年400万円超及び清算所得6.6%

事業税の申告

医療法人(社会医療法人を除く)は、法人税では普通法人とされているため、法人県民税では普通法人扱いとなりますが、法人事業税では特別法人とされています。 そのため、中間申告の取扱いは、法人税で中間申告義務がある場合、法人県民税は中間申告義務がありますが、法人事業税では特別法人であるため中間申告義務がないことになります。 したがって、事業税の申告は確定申告のみで中間申告は必要ありませんのでご注意願います。 社会医療法人は法人税で公益法人等、事業税では特別法人とされるため、法人県民税・事業税ともに中間申告義務はありません。

 (参照 地方税法第72条の23)

第七十二条の二十三 第七十二条の十二第三号の各事業年度の所得は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより算定するものとする。 内国法人 各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額によるものとし、この法律又は政令で特別の定めをする場合を除くほか、当該各事業年度の法人税の課税標準である所得の計算の例により算定する。  外国法人 各事業年度の法人税法第百四十一条第一号イに掲げる国内源泉所得に係る所得の金額及び同号ロに掲げる国内源泉所得に係る所得の金額の合算額によるものとし、この法律又は政令で特別の定めをする場合を除くほか、当該各事業年度の法人税の課税標準である同号イに掲げる国内源泉所得に係る所得及び同号ロに掲げる国内源泉所得に係る所得の計算の例により算定する。  前項の規定により第七十二条の十二第三号の各事業年度の所得を算定する場合には、法人税法第五十七条第六項から第八項まで、第五十九条第五項、第六十二条の五第五項、第六十四条の五、第六十四条の七及び第六十四条の八並びに租税特別措置法第五十五条(同条第一項及び第八項に規定する特定株式等で政令で定めるものに係る部分を除く。)の規定の例によらないものとし、医療法人又は医療施設(政令で定めるものを除く。)に係る事業を行う農業協同組合連合会(特定農業協同組合連合会を除く。)が社会保険診療につき支払を受けた金額は、益金の額に算入せず、また、当該社会保険診療に係る経費は、損金の額に算入しない。  前項に規定する社会保険診療とは、次に掲げる給付又は医療、介護、助産若しくはサービスをいう。  健康保険法(大正十一年法律第七十号)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条第一項においてその例によるものとされる場合を含む。以下この号において同じ。)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)、母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)、児童福祉法又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)の規定に基づく療養の給付(健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法若しくは私立学校教職員共済法の規定により入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費(国民健康保険法第五十四条の三第一項又は高齢者の医療の確保に関する法律第八十二条第一項に規定する特別療養費をいう。以下この号において同じ。)を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る療養のうち当該入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費の額の算定に係る当該療養に要する費用の額としてこれらの法律の規定により定める金額に相当する部分(特別療養費に係る当該部分にあつては、当該部分であることにつき総務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)又はこれらの法律の規定により訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る指定訪問看護を含む。)、更生医療の給付、養育医療の給付、療育の給付又は医療の給付  生活保護法の規定に基づく医療扶助のための医療、介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第一号に掲げる居宅介護のうち同条第二項に規定する訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション若しくは短期入所療養介護、同条第一項第五号に掲げる介護予防のうち同条第五項に規定する介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション若しくは介護予防短期入所療養介護又は同条第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに限る。)若しくは出産扶助のための助産若しくは健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第九十一条の規定による改正前の生活保護法の規定に基づく介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護療養施設サービスに限る。)又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三十号)の規定(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成十九年法律第百二十七号)附則第四条第二項において準用する場合を含む。)に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス若しくは中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成二十五年法律第百六号)附則第二条第一項若しくは第二項の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の規定に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス  精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の規定に基づく医療  介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定により居宅介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定居宅サービス(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護に限る。)のうち当該居宅介護サービス費の額の算定に係る当該指定居宅サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分、同法の規定により介護予防サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護予防サービス(介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション又は介護予防短期入所療養介護に限る。)のうち当該介護予防サービス費の額の算定に係る当該指定介護予防サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定により施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第二十六条の規定による改正前の介護保険法の規定により施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護療養施設サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該指定介護療養施設サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分  障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)の規定により自立支援医療費を支給することとされる支給認定に係る障害者等に係る指定自立支援医療のうち当該自立支援医療費の額の算定に係る当該指定自立支援医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定により療養介護医療費を支給することとされる支給決定に係る障害者に係る指定療養介護医療(療養介護に係る指定障害福祉サービス事業者等から提供を受ける療養介護医療をいう。)のうち当該療養介護医療費の額の算定に係る当該指定療養介護医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定により肢体不自由児通所医療費を支給することとされる通所給付決定に係る障害児に係る肢体不自由児通所医療のうち当該肢体不自由児通所医療費の額の算定に係る当該肢体不自由児通所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定により障害児入所医療費を支給することとされる入所給付決定に係る障害児に係る障害児入所医療のうち当該障害児入所医療費の額の算定に係る当該障害児入所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分  難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)の規定により特定医療費を支給することとされる支給認定を受けた指定難病の患者に係る指定特定医療のうち当該特定医療費の額の算定に係る当該指定特定医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定により小児慢性特定疾病医療費を支給することとされる医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等に係る指定小児慢性特定疾病医療支援のうち当該小児慢性特定疾病医療費の額の算定に係る当該指定小児慢性特定疾病医療支援に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分
(静岡県 修善寺)